著者
樋口 裕樹 熊谷 武久
出版者
公益社団法人 日本食品科学工学会
雑誌
日本食品科学工学会誌 (ISSN:1341027X)
巻号頁・発行日
vol.60, no.1, pp.48-53, 2013-01-15 (Released:2013-02-28)
参考文献数
20

米を原料とした加工の異なる米菓と炊飯米を対象とし,アミラーゼを用いた人工消化試験による生成糖量を測定した.米菓両群は反応5分後から反応終了60分まで炊飯米と比較して有意に生成糖量が増加した.次に間食を想定した炭水化物量を被験者に摂取させ,食後血糖値の変化から消化速度を比較した.米菓両群は炊飯米と比較して,食後15分と30分で有意に血糖値が上昇した.RVA曲線の最終粘度から,米菓両群の製品は炊飯米と比較して低い値を示し,蒸練工程によりデンプンの低分子化が生じたと推察した.米菓は焼成工程により大小様々な空隙の形成が電子顕微鏡写真により観察され,米菓両群の比容積は炊飯米と比較して有意に高い値であった.これらのことから米菓製造工程でデンプンの低分子化および空隙が形成されるために,デンプンの消化速度が速くなったと示唆される.
著者
赤熊 美紀 樋口 裕樹 熊谷 武久 永田 雅彦
出版者
日本獣医皮膚科学会
雑誌
獣医臨床皮膚科 (ISSN:13476416)
巻号頁・発行日
vol.19, no.3, pp.155-158, 2013 (Released:2013-10-31)
参考文献数
10
被引用文献数
1 2

犬アトピー性皮膚炎(cAD)におけるLactobacillus paracasei K71(K71株)の補助的治療効果を検討した。犬アトピー性皮膚炎(cAD)と診断した5例にプレドニゾロン0.5 mg/kg隔日投与を処方し,3例に試験食乳酸菌(K71株)を,2例に陽性対照セチリジン塩酸塩を併用し,12週間追跡しその補助的治療効果を検討した。皮膚病変の重症度は,獣医師によるCADESI(Canine Atopic Dermatitis Extent and Severity Index)スコア,飼い主による痒みスコア,薬剤ステロイド使用量により評価した。試験終了時全例で皮膚症状の緩和が認められたが,K71株治療群は陽性対照治療群と比較して,CADESIスコア,痒みスコア,ステロイド使用量のいずれも減少する傾向にあった。以上より,K71株はcADの症状緩和に有用と推察された。