著者
樋口 靖
出版者
駒澤大学
雑誌
論集 (ISSN:03899837)
巻号頁・発行日
vol.5, pp.17-31, 1976-03
著者
樋口 靖
出版者
文教大学
雑誌
文学部紀要 = Bulletin of the Faculty of Language and Literature (ISSN:09145729)
巻号頁・発行日
vol.25, no.2, pp.23-40, 2012-03-01

明治28年台湾は日本の植民地となり、台湾人に対する行政的、軍事的統治が開始された。台湾統治の方針は内地への同化政策であり、その基幹は教育であって、教育政策の実質は言語教育すなわち本島人に日本語を習得させることにほかならなかった。言語教育はもちろん現地人に対する日本語の「押し付け」ではあったが、領台の初期にあってはけっして片務的なものではなく、台湾に渡る日本人に対しては現地語(福建、広東系中国語方言と「藩語」を含む)の習得が要請された。学習は官吏、学校、軍、民間の各層で広く展開された。少なからぬ日本人が、漢語や欧米語ではなく文化価値の低い「土語」を学ぼうとしたことは史上初めての経験であったろう。「土語」はあくまで実用のために学ばれたので、「土語」の学習熱は日本語教育が一定の成果をあげると次第に下火になっていった。小論の目的は台湾「土語」のうち、最も使用人口が多く優勢な言葉であり、従って内地人の学習人口も相対的に多かった福建系台湾語の学習教育が、現場ではどのようなものであったのかを一次資料によりながら具体的に振り返ってみることにある。当然、資料から当時の台湾における言語の実際状況を知ることができる。また、日本植民地時代にあげた日本人の台湾語研究における成果も純学術面からみて極めて大きなものであり、この点も併せて考察する。考察は軍、官、民の各階層について行われる。
著者
樋口 靖
出版者
文教大学
雑誌
文学部紀要 = Bulletin of the Faculty of Language and Literature (ISSN:09145729)
巻号頁・発行日
vol.11, no.1, pp.1-14, 1997-10-01

日本統治台灣時期出現了許多有關台語的著作。這期間被使用的台語漢字有些獨特之處;使用訓讀漢字用得比較多,而且它的用法相當不統一。其原因何在?大部分作品的作者是日本人,讀者也是日本人,是用於日本人學台語所編的語言敎材和辭典之類。日語的漢字用法多用訓讀法來表示「大和言葉」。當時,日文的漢字用法比較隨便;對同一個單字,有時候用這個漢字充當,又有時候用那個漢字充當。或是,以同一個漢字表示兩個不同日語單字。日本作者可能把這種日文的習慣帶進台語著作裡面。例如:對台語【khùn睏】出現有「睡,眠」兩種寫法;又,對台語【khng,hē】兩個字使用一個「置」(おく)字來表示,等等。台語有很多單字無法以恰當的漢字表出,有時候關於一個字的寫法眾説紛紜,是叫我們初學台語的外國人實在傷腦筋的事。如要解決這種問題,採用訓讀法可能是比較妥當的解決方式。然則,個人以爲日本時代的漢字用法也有一定的參考價値。
著者
堀 利栄 藤木 徹 樋口 靖
出版者
日本地質学会
雑誌
地質学論集 (ISSN:03858545)
巻号頁・発行日
vol.55, pp.43-59, 2000-01-21
参考文献数
74
被引用文献数
3

付加体中に頻繁に含有される層状チャートの化学組成や同位体比は, チャートが堆積した場の環境や続成過程, また過去の大陸表面の化学組成や付加後のテクトニックなイベントを反映している.本論では層状チャートの化学組成や同位体比の解析例を示し, その問題点や将来性について議論した.REEやいくつかの主成分元素組成は, 層状チャートの珪質部と泥質部が濃度の差こそあれ同起源物質を含有していることを示しており, 珪質部は泥質部がSiO_2で希釈された部分とみなされる.さらに珪質部は, Sr同位体比による解析の結果, より初生的な情報を保持し易いことが示唆された.特に堆積場の酸化・還元状態は, 珪質部における一部の元素組成やS同位体比を用いることで解析可能であり, その一例としてFe^<2+>, Fe^<3+>の量比, AlやTi濃度で規格したMn, U, V比やS含有量をあげた.このような付加体堆積岩の環境解析において欠けてならない点は, 地球科学的な制約条件との整合性であり, 地球化学だけでなく他分野との総合的な議論が必要である.