著者
犬丸 杏里 玉木 朋子 横井 弓枝 藤井 誠 辻川 真弓
出版者
日本緩和医療学会
雑誌
Palliative Care Research (ISSN:18805302)
巻号頁・発行日
vol.16, no.1, pp.59-66, 2021 (Released:2021-02-16)
参考文献数
17

【目的】単一施設(A大学)で評価を行ってきた終末期ケアシミュレーションを,異なる教育環境(B大学)の看護大学生に実施し,振返りを通して評価する.【方法】終末期ケアシミュレーション実施後,参加者に振返り用紙への自由な回答を求め,内容分析を行った.【結果】参加者は12名であった.振返り内容は,13個のカテゴリー:看護に関する自己の理解,看護に関する自己の肯定的見通しの実感,コミュニケーションに関する知の獲得,終末期に関する知の獲得,学習機会の取得,デブリーフィングによる効果の実感,看護に関する自己の肯定的変化,看護の知の獲得,リアリティの実感,教員の関わりに対する評価,実施方法への評価,場の雰囲気に対する評価,経験への評価に集約された.【考察・結論】終末期ケアシミュレーション参加者は,教育環境にかかわらず,同様の学習経験を得ることが期待できる.
著者
犬丸 杏里 玉木 朋子 横井 弓枝 冨田 真由 藤井 誠 辻川 真弓
出版者
日本緩和医療学会
雑誌
Palliative Care Research (ISSN:18805302)
巻号頁・発行日
vol.13, no.2, pp.181-186, 2018 (Released:2018-05-11)
参考文献数
12
被引用文献数
1

【目的】終末期ケアシミュレーション(terminal care simulation: TCS)参加者がTCSを通して何を感じたかを質的に明らかにすることを目的とした.【方法】TCS後に振返り用紙への自由な回答を求め,その内容を質的に分析した.【結果】参加者39名.振返り用紙へ記載された内容は334記録単位に分割でき〈コミュニケーションに関する知の獲得〉〈実施方法への評価〉〈看護に関する自己の理解〉〈看護に関する自己の肯定的見通し〉〈終末期に関する知の獲得〉〈場の雰囲気に対する評価〉〈学習機会の取得〉〈看護に関する自己の肯定的変化〉〈デブリーフィングの効果〉〈経験への評価〉〈リアリティの実感〉〈看護の知の獲得〉〈教員の関わりに対する評価〉の13カテゴリーが形成された.【考察・結論】現実的な感覚が結果に現れたことから,模擬患者の協力がTCSでの現実味の体験に貢献したと考える.