著者
藤井 誠子 土生 学 高橋 理 上原 雅隆 笹栗 正明 冨永 和宏
出版者
日本口腔診断学会
雑誌
日本口腔診断学会雑誌 (ISSN:09149694)
巻号頁・発行日
vol.29, no.2, pp.81-85, 2016-06-20 (Released:2016-10-12)
参考文献数
17

Vitapex® is known to promote healing of periapical scars and facilitate skeletogenesis. It is used in routine clinical practice as a root canal filling material after pulpectomy or for the treatment of infected root canals. We report a clinical case of overfilling of Vitapex® from the apical foramen into the mandibular canal that caused inferior alveolar nerve hypoesthesia.A woman in her twenties presented at a local dental clinic for treatment of an infected root canal of the left mandibular second molar and received a Vitapex® injection. After the treatment, she presented with sensory disturbance in her left lower lip and mental region. She was introduced to our department 1 week later. She was diagnosed with sensory disturbance in the left lower lip and side of the chin. A panorama X-ray radiograph revealed a radiopaque image suspected to represent a large overfilling of Vitapex® into the left mandibular canal. After extraction of the left mandibular second molar, the socket was opened. A vitamin B12 formulation was then administered to her, and a series of stellate ganglion blocks was performed. Three months after extraction, radiographic findings revealed that the radiopaque image in the mandibular canal had disappeared, and the sensory disturbance had mostly subsided 4 months after treatment initiation.
著者
藤井 誠二
出版者
北海道大学総合博物館
雑誌
北海道大学総合博物館研究報告 (ISSN:1348169X)
巻号頁・発行日
vol.4, pp.9-132, 2008-03-31

Plant (wood and grass) materials were basic and indispensable to prehistoric people’s lives; however, little attention has been paid to these materials up to now. The main reason is that they are characterized by variety and destructibility. To reveal the characteristics of wooden goods of the Satsumon and the Ainu cultures, data from archaeological reports were collected and arranged into a classification system, from which a data base for wooden goods from these two cultures was created. In total 7,477 wooden artifacts from 29 sites were analyzed (table), and based on the analyses, a class catalog of 26 groups consisting of 213 types was presented. Using this table, the ratio of wooden artifacts assigned to Category 4 (type of goods) and Category 3 (use of goods) of the Satsumon Culture and of the Ainu Culture were compared. In Category 4, there were some remarkable differences in ratio in such goods as ceremonial and ritual artifacts. However, there was no outstanding difference in the number of artifacts within these two cultures. In other words, the usage of wooden goods from the Satsumon to the Ainu Culture was continual. The comparison analyses of each item and of each cultural site will be the main research topic for the future.
著者
保崎 泰弘 芦田 耕三 濱田 全紀 藤井 誠 岩垣 尚史 高田 真吾 田吹 梢 光延 文裕
出版者
一般社団法人 日本温泉気候物理医学会
雑誌
日本温泉気候物理医学会雑誌 (ISSN:00290343)
巻号頁・発行日
vol.69, no.4, pp.269-273, 2006 (Released:2010-04-30)
参考文献数
14
被引用文献数
1

閉塞性動脈硬化症 (ASO)、糖尿病性末梢循環障害に合併する難治性下肢潰瘍、壊疽の治療、予防として人工炭酸泉浴は有用であると考えられている。今回、人工炭酸泉浴による足浴の末梢循環改善作用を定量的に明らかにする目的で健常成人6例 (年齢27~52歳、男性5例、女性1例) について検討した。右下肢腓骨外果より頭側10cmの背側にレーザードップラー血流計を固定し、さらに防水用のテープで覆った。42度の温水10lをバケツに入れ、バブ錠1個を投入し、対象患者の両足を膝下まで10分間浸水した。観察は、浴前、浴中、浴後5分、15分、25分、35分に行なった。次に、足浴の全身の末梢循環血流量に及ぼす影響を検討する目的で、右上肢手関節より頭側10cmにレーザードプラー血流計を固定し、足浴時と同時に上肢の末梢血流量を測定した。足浴前の血流量を100%とした時、足浴中10分では264±135 (%) (p<0.05)、足浴後5分では256±174、浴後15分では146±60、浴後25分では112±23、浴後35分では107±24と漸減し、足浴前値に低下した。上肢の血流量は、浴前の血流量を100%とした時に、浴中10分では119±49、浴後5分では120±66、浴後15分では113±28、浴後25分では109±16、浴後35分では95±14と漸減し、浴前値に低下した。人工炭酸泉浴を用いた足浴の末梢循環に及ぼす血流増加効果が数量的 (2.6倍) に認められた。しかし、その効果は浴後5分間は持続するものの15分後より低下する事が示された。簡易で効果的な人工炭酸泉浴を用いた足浴は、下肢の難治性潰瘍や壊疽の治療・予防に有効であることが示唆された。
著者
藤井 誠 関 隆教
出版者
日本商業学会
雑誌
JSMDレビュー (ISSN:24327174)
巻号頁・発行日
vol.2, no.2, pp.57-63, 2018 (Released:2019-10-29)
参考文献数
41

本稿では,サービス組織における現場従業員(Front-Line Employees:FLE)のクリエイティビティがもたらす負の側面について,探索的事例研究を行う。具体的には,塚田農場の事例を通じて,FLEがクリエイティビティを発揮する顧客を選別してしまうことで,企業が当初想定していたターゲットとの乖離が生じるという現象を「クリエイティビティの意図せざる結果」と概念化することで,クリエイティビティが引き起こす負の1つの側面を見出した。今後の研究の展望として,FLEのクリエイティビティを財務成果へと着実に結びつけるには,FLEのクリエイティビティがどのような局面において財務成果に正の影響を与えるのかを深耕していく研究が必要となることを提起した。
著者
犬丸 杏里 玉木 朋子 横井 弓枝 藤井 誠 辻川 真弓
出版者
日本緩和医療学会
雑誌
Palliative Care Research (ISSN:18805302)
巻号頁・発行日
vol.16, no.1, pp.59-66, 2021 (Released:2021-02-16)
参考文献数
17

【目的】単一施設(A大学)で評価を行ってきた終末期ケアシミュレーションを,異なる教育環境(B大学)の看護大学生に実施し,振返りを通して評価する.【方法】終末期ケアシミュレーション実施後,参加者に振返り用紙への自由な回答を求め,内容分析を行った.【結果】参加者は12名であった.振返り内容は,13個のカテゴリー:看護に関する自己の理解,看護に関する自己の肯定的見通しの実感,コミュニケーションに関する知の獲得,終末期に関する知の獲得,学習機会の取得,デブリーフィングによる効果の実感,看護に関する自己の肯定的変化,看護の知の獲得,リアリティの実感,教員の関わりに対する評価,実施方法への評価,場の雰囲気に対する評価,経験への評価に集約された.【考察・結論】終末期ケアシミュレーション参加者は,教育環境にかかわらず,同様の学習経験を得ることが期待できる.
著者
御園生 淳 磯山 直彦 森薗 繁光 鈴木 千吉 及川 真司 藤井 誠二
出版者
一般社団法人 日本原子力学会
雑誌
日本原子力学会 年会・大会予稿集 2009年春の年会
巻号頁・発行日
pp.702, 2009 (Released:2009-04-15)

平成18年度から下北沖合を主に海水の安定ヨウ素及びヨウ素129濃度を測定して来た。安定ヨウ素及びヨウ素129濃度のバックグラウンド濃度は、それぞれ、52μg/l、20~30nBq/l程度である。
著者
藤井 誠一郎
出版者
特定非営利活動法人 日本評価学会
雑誌
日本評価研究 (ISSN:13466151)
巻号頁・発行日
vol.22, no.1, pp.29-42, 2022-03-31 (Released:2023-06-01)
参考文献数
41

これまでの行政改革では、人員削減のためエッセンシャル・ワーカーたちを非正規化や民間委託化してきた。結果、不測の事態への対応力が乏しい公共サービス提供体制となってしまった。本稿では、これまでの行政改革を支えてきた「評価」に着目し、①地方自治体が取り入れてきた「評価」の変遷を把握し、②そこで行われていた「評価」についてメタ評価を行い、③エッセンシャル・ワーク評価を実質化させていく手段について検討した。 住民に近いところで公共サービスを提供するエッセンシャル・ワークの評価には、「安心」「安全」を規準にしたプログラム評価を行い、そこで発生する問題や課題を発見して解決し、公共サービスが滞りなく提供できる状態を保てるように対策を講じていく必要がある点を指摘した。また、エッセンシャル・ワーク評価をプログラム評価へと変えていくために、評価者、被評価者、住民のそれぞれの立場で求められるあり方を提示した。
著者
藤井 誠 関 隆教
出版者
日本マーケティング学会
雑誌
マーケティングジャーナル (ISSN:03897265)
巻号頁・発行日
vol.41, no.3, pp.72-84, 2022-01-07 (Released:2022-01-07)
参考文献数
31

本研究では,(1)どのような状況において現場従業員のクリエイティビティは顧客満足に負の影響を与えるのか。(2)現場従業員のクリエイティビティが顧客満足に与える負の影響はどのような要因によって緩和されるのだろうか,という2つの研究課題を設定した。研究課題を明らかにするために,初回利用の状況に着目し,調査会社のモニターを対象に,ヘアサロンをコンテクストとする場面想定法実験を行った。分析の結果,初回利用の場合,サービス組織の現場従業員のクリエイティビティは顧客満足に負の影響を与えるという仮説は支持された。しかし,類似性は初回利用時におけるサービス組織のFLEsのクリエイティビティとCSの負の関係を緩和するという仮説については支持されなかった。最後に,分析結果を踏まえた実践的示唆と今後の課題について示した。
著者
藤井 誠一
出版者
一般社団法人 国際P2M学会
雑誌
国際P2M学会誌 (ISSN:24320374)
巻号頁・発行日
vol.6, no.2, pp.141-151, 2012-02-25 (Released:2017-05-25)

新製品開発プロジェクトにおけるプロダクト・チャンピオンの研究は,米国,独国,韓国では進んでおり,国による比較も行われているが,日本での研究は皆無に等しい.プロダクト・チャンピオンは,プロジェクト・マネジャーと並び,新製品開発を成功に導く重要なキーマンとして取り上げられており,日本企業においてその存在を確認することは,非常に意義深いと考えられる.そこで,先行研究をレビューしてプロジェクト・マネジャーとプロダクト・チャンピオンの関係性を整理した上で,公開情報により探索的調査研究を行った.その結果,日本企業におけるプロダクト・チャンピオンの存在を確認することができたと同時に,その活動,人物像,シニアマネジメントの位置づけ,に代表されるこの分野の研究の端緒となる結果が得られた.
著者
鈴木 健介 林 隆一 海老原 充 宮崎 眞和 篠崎 剛 富岡 利文 大幸 宏幸 藤井 誠志
出版者
特定非営利活動法人 日本頭頸部外科学会
雑誌
頭頸部外科 (ISSN:1349581X)
巻号頁・発行日
vol.24, no.2, pp.169-174, 2014 (Released:2015-02-11)
参考文献数
20
被引用文献数
1 1

骨肉腫は骨原発の悪性腫瘍として最も多いが,頭頸部領域に生じる骨肉腫は全体の10%以下と比較的まれである。今回,われわれは下顎骨に発生した骨肉腫を6例経験したので,文献的考察を加えて報告する。治療法は6例全例で手術が施行され,4例は手術療法単独,2例で導入化学療法が併用された。導入化学療法が併用された2例においてはいずれも化学療法の効果は認められなかった。諸家の報告と同様に,初回治療で切除断端陰性の症例では長期生存が得られていた。頭頸部原発骨肉腫の治療の中心は外科的完全切除であるため,手術時期を逸することがないよう,導入化学療法の適応に関しては慎重になる必要があることが示唆された。
著者
水口 幹記 洲脇 武志 喜多 藍 名和 敏光 佐々木 聡 高橋 あやの 清水 浩子 藤井 誠子 松浦 史子 田中 良明
出版者
藤女子大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2016-04-01

本年度は、ベトナムと中国を中心対象地域に設定し、研究を進めていった。1、研究検討会の開催:国内において、計三回の研究検討会を開催した。特に第二回には、立教大学日本学研究所と「前近代東アジアにおける術数文化の伝播・展開―日本とベトナムを中心として―」と題した大規模検討会を共催した。ここでは、ベトナム(ハノイ国家大学)からファム・レ・フイ氏を招きご報告を頂いたほか、外部スピーカーもお招きし、広く意見交換を行い、一般聴衆へも本研究課題の意義を伝えることができた。この概要は『立教日本学研究所年報』に掲載予定である。2、『天地瑞祥志』研究会への参加・翻刻校注の刊行:毎月一度開催される『天地瑞祥志』研究会に参加し、本資料の輪読・校注作業が進展した。本年度は、本書第十六・第十七の翻刻校注が刊行でき、研究作業が大いに進展した。3、国内外調査:複数の研究班メンバーが共同でベトナム調査を敢行した。多くの漢籍を所蔵するハノイの漢喃研究院を中心に文献調査、史跡調査を行った。調査先は、漢喃研究院のほか、国会議事堂地下展示室・タンロン王城遺跡・ベトナム国立歴史博物館・文廟(以上ハノイ)・バクニン省博物館・陶おう廟碑・延応寺(以上バクニン省)などであった。特に、漢喃研究院の院長や研究員と懇談し、今後の協力を取り付けたこと、また、国宝に指定されている隋代の仁寿舎利塔銘を実見・調査できたことは、今後のベトナムの歴史と術数との関連を考える上で大きな収穫であった。また、現地の道教研究者とも意見交換を行うことができ、今後の研究の足がかりを得ることができた。その他、各研究班により、各地の資料館・図書館・文庫での調査が行われた。4、関連論文の翻訳:ベトナム語の論文としては、グエン・コン・ヴィエット「漢喃暦法の文献における二十八宿に関する概要」を日本語に翻訳することができ、研究班メンバー全員での共通認識形成に役立った。
著者
犬丸 杏里 玉木 朋子 横井 弓枝 冨田 真由 藤井 誠 辻川 真弓
出版者
日本緩和医療学会
雑誌
Palliative Care Research (ISSN:18805302)
巻号頁・発行日
vol.13, no.2, pp.181-186, 2018 (Released:2018-05-11)
参考文献数
12
被引用文献数
1

【目的】終末期ケアシミュレーション(terminal care simulation: TCS)参加者がTCSを通して何を感じたかを質的に明らかにすることを目的とした.【方法】TCS後に振返り用紙への自由な回答を求め,その内容を質的に分析した.【結果】参加者39名.振返り用紙へ記載された内容は334記録単位に分割でき〈コミュニケーションに関する知の獲得〉〈実施方法への評価〉〈看護に関する自己の理解〉〈看護に関する自己の肯定的見通し〉〈終末期に関する知の獲得〉〈場の雰囲気に対する評価〉〈学習機会の取得〉〈看護に関する自己の肯定的変化〉〈デブリーフィングの効果〉〈経験への評価〉〈リアリティの実感〉〈看護の知の獲得〉〈教員の関わりに対する評価〉の13カテゴリーが形成された.【考察・結論】現実的な感覚が結果に現れたことから,模擬患者の協力がTCSでの現実味の体験に貢献したと考える.
著者
谷崎 勝朗 光延 文裕 保崎 泰弘 芦田 耕三 岩垣 尚史 永田 拓也 藤井 誠 高田 真吾 横井 正 浜田 全紀
出版者
岡山大学医学部附属病院三朝医療センター
雑誌
岡大三朝医療センター研究報告 (ISSN:13481258)
巻号頁・発行日
vol.74, pp.1-10, 2004-02-01

1982年から2003年までの22年間に当医療センターで入院加療した2295例を対象に5年間毎にその年次推移を検討した。2295例のうちわけは,気管支喘息1400例(61.0%),COPD510例(22.2%),その他385例であった。1.気管支喘息は,第1期(1982-1986年)の5年間では,平均11.4例/年であったが第4期(1997-2001年)では平均93例と初期と比べ8.2倍の増加が見られた。また,第5期(最近の2年間)では87.0例/年であった。そのなかのSDIA(steroid-dependentintractableasthma)の頻度は初期の68.4%から第4期では29.0%,第5期23.6%にまで低下する傾向を示した。 2.COPD症例は,初期の5年間(1982-1986年)では平均5.2例/年から第4期には44.6例/年へと8.7倍の,また第5期では47.5例/年へと9.1倍の増加が見られた。また,そのなかの肺気腫が占める割合は初期の19.2%から第4期では76.7%,第5期では87.4%と明らかな増加傾向を示した. 3.気管支喘息およびCOPD症例の年齢別検討では,60歳以上の症例の頻度は第1期では30.1%であったが,第4期では68.0%,そして第5期では87.4%と,年々その頻度は高くなっていく傾向が見られた。すなわち,最近22年間の年次推移からは,温泉療法を必要とする呼吸器疾患患者が増加しつつあること,そしてその年令は年々高くなる傾向にあることが示されている。Analysis of 2295 patients with respiratory disease admitted at Misasa Medical Center for last 22 years from 1982 to 2003 was performed every five years. Of all patients with respiratory disease, 1910 (83.2%) patients had asthma and chronic obstructive pulmonary disease (COPD). 1. Of 1910 patients showing obstructive ventilatory dysfunction, 1400 (73.3%) patients had asthma. The frequency of asthma in all patients with respiratory disease was 53. 8% for the first 5 years from 1982, 71. 7% for the second 5 years, 73.6% for the third 5 years, 53.9% for the fourth 5 years and 48.2% in the last two years. 2. The frequency of steroid-dependent intractable asthma (SDIA) was from 23.6% to 41. 3% except the frequency (68.4%) for the first 5 years. The frequency of patients with SDIAshowed a tendency to decrease in recent years. The frequency of patients with pulmonary emphysema in those with COPD was very low 09.2% for the first 5 years) tended to increaseand 76.7% for the fourth 5 years and 87.4% in the last two years. The frequency of patients over age 60 was 30. 1% for the first 5 years, and showed a tendency to increase, and 67. 9% for the fourth 5 years and 82.7% in the last two years. 3. The frequency of patients from distant areas outside Tottori prefecture was larger compared to the frequency inside Tottori prefecture. The number of patients from Okayama, Osaka, Hyogo, Tokyo, Ehime, Yamaguchi, and Kyoto was larger than the number from other distant areas.