著者
横家 将納
出版者
特定非営利活動法人 日本栄養改善学会
雑誌
栄養学雑誌 (ISSN:00215147)
巻号頁・発行日
vol.68, no.4, pp.263-269, 2010 (Released:2010-10-26)
参考文献数
20
被引用文献数
1 3

メッシュ気候値および人口メッシュデータを利用して都道府県別に求めた日最高気温,日平均気温の平年値と幼児,児童,生徒の身長および体重の都道府県別平均値との関係を調べた結果,負の相関が認められた。すなわち,気温の低い地域ほど,身長は高く,体重は重くなるという地域相関が見られた。これら気温と体格との地域相関の原因については,地域による栄養素摂取量の過不足やバランスの違い,ベルクマン・アレンの法則による遺伝的適応などについても考えられたが,気温などの環境要因による食物摂取量への影響などが体格の地域差をもたらしている可能性が考えられた。またこのことは,現代の日本における栄養素摂取量やそのバランスが地域によらず均一化したため,結果的に気温などの環境要因が食物摂取量などに与える影響が体格の地域差として表面化している可能性があると考えられた。(オンラインのみ掲載)
著者
アタロッド ペデラーム 青木 正敏 小森 大輔 石田 朋靖 福村 一成 ブーンヤワット サマーキー トンディノック ピヤホン 横家 将納 パンクンガム ソムニミトル パーコークトム ティワー
出版者
養賢堂
雑誌
農業氣象 (ISSN:00218588)
巻号頁・発行日
vol.62, no.3, pp.93-102, 2006-09-10
参考文献数
7
被引用文献数
3 20

対象地域の実蒸発散量(<i>AET</i>)を算定する一般的な方法として,Penman-Monteith法(PM)を用いて計算した基準蒸発散量(<i>ET<sub>0</sub></i>)に作物係数(<i>K<sub>c</sub></i>)を乗ずる方法が知られている。そこで本研究では,熱帯モンスーン気候であるタイ王国の主要な植生である天水田,キャッサバ畑,チーク林において,熱収支ボーエン比法による長期連続観測データを用い,<i>AET</i>から求めたKcと気象要素(日射,気温,風速,飽差,土壌水分量)の相関を検討し,簡便に<i>K<sub>c</sub></i>を推定できる経験式を開発した。<br>対象3サイトにおいて,<i>K<sub>c</sub></i>と上述した気象要素は非常に高い相関関係があったが,上述した気象要素より土壌水分量を除いた場合でも<i>K<sub>c</sub></i>と同様な高い相関関係が認められた。そこで本研究ではより簡便な推定式開発のため,土壌水分量を除いた四つの気象要素より<i>K<sub>c</sub></i>の経験式を導いた。また,全3サイトの統合データにおいても,<i>K<sub>c</sub></i>と気象要素には高い相関関係が認められた。この経験式より推定した蒸発散量を<i>AET</i>と比較した結果,日平均での標準誤差は0.72 mm/dayで,これは19%の誤差に相当した。この時間スケールを5日,10日,15日,20日とした場合,推定蒸発散量の誤差はそれぞれ15%,12%,11%,10%となった。この結果より,本研究で開発した推定式は10日以上の時間スケールで<i>AET</i>を推定することが可能であることが確認された。