著者
横田 恵理子
出版者
慶應義塾大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2010

昆虫忌避剤 DEET や、ピレスロイド系の防虫・殺虫剤は家庭・地域において日常的に使用されている。これら化合物は化学物質過敏症や炎症性疾患発症への関与が考えられているが、その詳細な作用機序については不明である。DEET は、ラット好塩基球性白血病細胞株 RBL-2H3 細胞での抗原依存性脱顆粒に対し抑制作用を示す一方、持続性のERK 活性化を示した。ピレスロイド系化合物のアレスリンは、抗原非依存性に脱顆粒と ERK活性化を引き起こした。また、これら化合物は、ヒト肺胞上皮由来 A549 細胞においてサーファクタントタンパク質 SP-A の発現を増強し、 ERK 活性化も引き起こした。 DEET およびピレスロイド系化合物は、細胞のシグナル伝達系に影響し、免疫応答に関わる細胞機能を修飾することが示唆された。
著者
佐久間 加代子 横田 恵理子 安孫子 幸子 古和田 涼子
出版者
The Society of Physical Therapy Science
雑誌
理学療法科学 (ISSN:13411667)
巻号頁・発行日
vol.14, no.4, pp.193-196, 1999

第13回世界理学療法連盟学会において,我々は16ケ国の理学療法事情について,アンケート調査を行った。その結果,殆どの国において女性の占める割合が多く,開業権も有していた。また,対象とする疾患や主要治療機器などにも我が国との相違点が見受けられた。我々日本人としては,アジア初の国際学会に対して絶賛の声が聞かれ,大きな喜びであった。
著者
笠原 忠 横田 恵理子 園田 よし子
出版者
共立薬科大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2000

アボートシスに至るシグナル伝達機構の解析は細胞生物学の重要な課題であり,我々はこれまで単球と内皮細胞や腫瘍細胞と接着によるアボートシス誘導を見い出し,その関与分子を明らかにしてきた.また,酸化ストレスならびに抗がん剤によるアボートシスの誘導の際,接着斑キナーゼp125FAKがチロシンリン酸化され,この分子が抗アポートシス作用に重要な役割を持つことを示してきた.平成12年度は,(1)FAKの抗アポトシース経路には,Akt/PKB→NF-kB活性化→アポトーシス誘導阻止因子(IAP)ファミリー誘導の経路が関与することをヒト白血病細胞株HL-60,ならびにグリオーマ細胞株T98Gにおいて見い出した.さらに,(2)FAKの抗アボートシスにおける役割を明らかにするために,HL-60でFAK関漣遺伝子の過剰発現系を樹立を試みた.また,T98GではFAK遺伝子の安定導入株を得ると共に,アデノウイルスベクターを構築して,T98G細胞での高発現系を作成した.さらに,平成13年度は,(3)前年度の系を発展させ,FAK高発現系では酸化ストレスや抗がん剤によるアボートシスに高度耐性を示すことがわかり,そのアポトーシス耐性の機序を検討した.一方,Y397F変異FAK遺伝子を導入することにより,逆にアポトーシスを誘導することを見い出し,その機序の解析を行った.(4)酸化ストレスや抗がん剤,放射線によるアボートシス誘導時のカスパーゼファミリー(とくにカスパーゼ-1,3,6,8,9)の関与の解析を行った.このようなアポトーシス耐性機序の解析は,がん化学療法で問題となる薬剤耐性機構を明らかにする上でも極めて重要であると考える.なお,研究の成果の一部は,すでにJBC2000,BBRC2001,ARS2002などに発表または印刷中である.