著者
浦野洋吉橋口幸雄岩阪雅二
出版者
安全工学会
雑誌
安全工学 (ISSN:05704480)
巻号頁・発行日
vol.13, no.5, pp.305-308, 1974-10-15 (Released:2018-06-30)

高沸点の可燃陸液体7種について,ジーゼルエンジン用ノズルを使用してスプレーを発生させ,高温発熱体による発火温度を測定した.スプレーの濃度が空気1m3中17.9~27.1gr,粒子径が81~185μ(体面積平均径)の実験条件では,発火温度はいずれも700℃以上であり,テトラリンでは800℃を超えた,これは試料について,ASTM法に準じた滴下法で測定した発火温度よりも高い.また,発火の起こる場合は瞬間的に発火し,ある遅れ時間の後に発火する現象は見られなかった.一般に可燃性ガスおよび蒸気が,加熱金属表面で発火する温度は,密閉容器で測定された発火温度データよりもはるかに高いことが知られているが,スプレーの場合も同様であることを明らかにした.