著者
西村 絵実 田中 信彦 橋口 浩志 渡部 由美 山賀 昌治 恒吉 勇男
出版者
一般社団法人 日本ペインクリニック学会
雑誌
日本ペインクリニック学会誌 (ISSN:13404903)
巻号頁・発行日
vol.21, no.1, pp.23-26, 2014 (Released:2014-03-12)
参考文献数
9

両側の膝下部から足背部までの感覚障害と足底部のアロディニアがあった患者に対して,集学的治療を行った.症例は14歳,女児.足底部に針で刺されるような痛みが出現し,歩行困難となった.小児の複合性局所疼痛症候群(complex regional pain syndrome:CRPS)の特徴を有していたが,診断基準を満たさなかった.当科で両足底部に8%リドカインを用いたイオントフォレーシスを施行しながら,患者・家族との信頼関係の構築に努めた.精査で異常を認めず診断に難渋した.その後,小児精神科で身体表現性障害と診断され,ミルナシプランの内服を開始した.同時期よりリハビリテーション部で歩行訓練を開始すると,独歩が可能となり初診から1年後に完治した.慢性痛の小児に集学的治療を行い,痛みが消失し,社会生活が可能になった.
著者
長友 慶子 並木 薫 林 要人 武田 龍一郎 松尾 寿栄 安部 博史 橋口 浩志 石田 康
出版者
宮崎県医師会
雑誌
宮崎県医師会医学会誌 (ISSN:03898288)
巻号頁・発行日
vol.31, no.1, pp.15-20, 2007

宮崎大学医学部附属病院精神科は,宮崎県の身体合併症治療施設として重要な役割を担っており,コンサルテーション・リエゾン精神医療を要する患者が,外来・入院ともに増加する傾向にある。重篤な身体合併症を有する精神障害者に対して,生命予後に関わる処置等を優先せざるを得ないために,精神科医師や看護スタッフが本来,精神科的なアプローチを必要とする患者へ時間を割くことができない状況もしばしばみられる。こうした地域特性の中での精神障害者の身体合併症治療の現状について調査したので,考察を加えて報告する。