著者
長友 慶子 並木 薫 林 要人 武田 龍一郎 松尾 寿栄 安部 博史 橋口 浩志 石田 康
出版者
宮崎県医師会
雑誌
宮崎県医師会医学会誌 (ISSN:03898288)
巻号頁・発行日
vol.31, no.1, pp.15-20, 2007

宮崎大学医学部附属病院精神科は,宮崎県の身体合併症治療施設として重要な役割を担っており,コンサルテーション・リエゾン精神医療を要する患者が,外来・入院ともに増加する傾向にある。重篤な身体合併症を有する精神障害者に対して,生命予後に関わる処置等を優先せざるを得ないために,精神科医師や看護スタッフが本来,精神科的なアプローチを必要とする患者へ時間を割くことができない状況もしばしばみられる。こうした地域特性の中での精神障害者の身体合併症治療の現状について調査したので,考察を加えて報告する。
著者
長友 慶子 長町 茂樹 石田 康
出版者
メディカルレビュー社
雑誌
Pharma medica (ISSN:02895803)
巻号頁・発行日
vol.21, no.11, pp.133-137, 2003

ウイルス増殖抑制物質として1950年代に発見されたインターフェロン(IFN)は,悪性腫場・ウイルス性肝炎を中心に頻用されており,1992年には本邦でC型慢性肝炎に対しての保険適応を得た。IFNには,その一般的な副作用としての頭痛・発熱・倦怠感・食思不振などのほか,不眠・抑うつ状態・操状態・幻覚妄想・意識障害などの精神症状も数多く報告されており,コンサルテーション・リエゾン精神医学の領域で重要な問題となっている。###今回のわれわれは,C型慢性肝炎に対するIFN投与の中止から約3週間後に顕性化したせん妄の症例の脳血流量の経時的変化を観察し,臨床像と比較検討した。また,この症例の治療経過中,非定型抗精神病薬の1つであるクエチアピン投与後に,過鎮静や錐体外路症状などの副作用も出現することなく,せん妄による幻覚・妄想・精神運動興奮などの精神症状が消失したことに関しても若干の考察を加える。