著者
橋本 侑樹 村松 大吾 小方 博之
出版者
一般社団法人 映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会技術報告 (ISSN:13426893)
巻号頁・発行日
vol.34, pp.1-4, 2010
参考文献数
6

人が筆記を行う際のペンの持ち方は個人ごとに異なっており, 個人認証に有効だと考えられる.本論文では, ペンの持ち方特徴を用いた個人認証手法を提案する.提案手法では, カメラを用いてペンの持ち方画像を撮影し, 複数の特徴をその画像から抽出する.抽出した特徴を事前登録されているデータと比較し非類似度ベクトルを計算し, それらを3層パーセプトロンで組み合わせることにより認証スコアを取得する.収集したデータベースを用いた実験ではなりすまし攻撃に対して等誤り率5.6%という結果になった.
著者
村松 大吾 橋本 侑樹 小方 博之
雑誌
研究報告コンピュータビジョンとイメージメディア(CVIM)
巻号頁・発行日
vol.2011, no.1, pp.1-8, 2011-05-12

筆記をする際のペン持ち方に注目し,カメラで撮影したペン持ち方画像を用いて個人を認証する手法を検討する.ペンの持ち方は,手の大きさ等の人の身体的特徴に由来する個人性とともに,どのようにペンを持つのか,という人の癖に由来する個人性が存在すると考えられ,個人認証に有効なモダリティだと考えられる.本研究ではその有効性を確認するために,ペン持ち方を撮影した画像 (ペン持ち方データ) から多数の特徴を抽出し,各特徴から計算される非類似度を統合することで認証を行う.本研究では 33 個の特徴から計算される非類似度スコアを realAdaBoost を用いて統合し,ユーザ依存しきい値と比較することで認証を行った.30 人から取得したペン持ち方データを用いた評価実験では,他人の握り方を真似したなりすまし攻撃に対して等誤り率 4.1% という結果を得た.We focus on a biometric person authentication method using features of pen holding style. The manner of holding pen can be distinctive among persons and be useful modality for person authentication, because the manner is affected by both the physical features and habitual behavior. In order to evaluate the efficiency, we extract several features from the pen-holding image, and fuse them for verification. In this paper, realAdaBoost algorithm is used for the fusion, and user-dependent threshold is applied for a decision making. The developed algorithm is evaluated using the database collected dorm 30 persons. The algorithm achieved an EER of 4.0% against the impersonation attacks.
著者
村松 大吾 橋本 侑樹 小方 博之
出版者
The Institute of Image Electronics Engineers of Japan
雑誌
画像電子学会誌 (ISSN:02859831)
巻号頁・発行日
vol.42, no.1, pp.47-55, 2013

筆記は個人性が現れる動作のため,個人を認証する特徴として利用されている.従来の筆記を用いた個人認証はオンライン署名認証に代表されるような運筆動作に注目した手法である.本稿では,運筆動作ではなく,筆記時のペンの持ち方に着目した個人認証手法を提案する.提案手法では,筆記者のペンの持ち方をカメラにより撮影し,撮影された画像から「持ち方」の違いや「手」の違いを考慮して「ペン持ち方」に関係する特徴を複数抽出し,それらをスコアレベルで統合することで認証を行う.30人から取得したペン持ち方画像を用いた精度評価実験では,提案手法により等誤り率2.7%で本人と他人を判別できる結果を得た.また本人の持ち方を真似したなりすましデータを用いた攻撃耐性評価実験では等誤り率4.1% という結果を得た.