著者
橋本 晶子
出版者
一般社団法人 日本老年看護学会
雑誌
老年看護学 (ISSN:13469665)
巻号頁・発行日
vol.15, no.2, pp.58-63, 2011-06-15 (Released:2017-08-01)
参考文献数
22

研究目的は,介護老人福祉施設の介護職員に対する視覚教材を用いた手洗いの洗い残しを認識する自己学習の効果を検証することである.対象者である介護老人福祉施設の介護職員27名に対して,蛍光塗料含有ローション塗布後に通常手洗いを実施し,Gritter BugTMにより照らし出される部分を洗い残しとして自己学習する実験介入を自己学習前,自己学習直後,1週間後,1か月後に実施した.手指全体と各部位ごとに手洗いの洗い残し状況の得点でみた結果,自己学習直後および1週間後に有意に得点が下降していたが,1か月後には有意差がみられず,各評価段階すべてにおいて手背側より手掌側に有意に減少がみられた.これは,視覚教材を用いた自己学習直後の効果を維持するための定期的な追加介入などの方策および手背側手洗いの励行の必要性を示唆している.