著者
住居 広士 高山 忠雄 橋本 祥恵 下方 浩史
出版者
日本保健福祉学会
雑誌
日本保健福祉学会誌 (ISSN:13408194)
巻号頁・発行日
vol.4, no.1, pp.11-20, 1997-10-30

我々は介護度を、要介護者への直接処遇の介護業務における関わり度・困難度・必要度により数量化し、保健福祉機関職種別の介護専門性を比較検討した。1995年12月に配票調査を行い、保健福祉職種別の要介護者事例1208名から介護度を数量化し分析した。介護支援業務総計80項目を基に、6種類(生命、生活、情報、医療、末期、在宅)の主業務にまとめた。関わり度と必要度は、相関係数0.77(偏相関0.49)と非常に高く、困難度は関わり度とは0.57(-0.27)、必要度とは0.67(-0.02)とその偏相関係数は低かった。今回、その関係から、介護度=困難度×(関わり度+必要度)/2として数量化した。介護度は、職種別には、特養寮母が生命、特養看護が医療、特養指導員は情報、老健介護は生命、老健看護が医療、ホームヘルパーと訪問看護とデイケアはともに情報が一番高値であった。特養寮母と老健介護職員の相関係数(0.845)と老健介護職員と老健看護が相関係数(0.883)と非常に高値となった。介護度により保健福祉分野での介護専門性の比較検討ができることが示唆された。