著者
正司 豪 尾澤 重知
出版者
一般社団法人 日本教育工学会
雑誌
日本教育工学会研究報告集 (ISSN:24363286)
巻号頁・発行日
vol.2021, no.3, pp.40-47, 2021-10-29 (Released:2021-10-29)

本研究の目的は,コロナ禍において修士課程に進学予定の大学生を対象に1年間にわたる研究内容の変容の契機を明らかにすることである.本研究では,大学4年生9名に対し半構造化インタビューを行なった.質的な分析の結果,研究内容の変容の契機は,(1)指導教員からの助言 (2)ゼミの先輩からの助言 (3)同じ関心を持つ学外の他者との対話,の3つに類型化することができ,「ゼミの仲間同士の学び」が不十分な事例が見られた.そこで,ゼミにおいて孤立化を防ぐ支援の必要性が示唆された.
著者
正司 豪 尾澤 重知
出版者
一般社団法人 日本教育工学会
雑誌
日本教育工学会論文誌 (ISSN:13498290)
巻号頁・発行日
pp.S46075, (Released:2022-08-26)
参考文献数
11

本研究は,卒業研究が必須の大学生を対象とし,研究内容の変容の契機となったゼミナール内外の実践共同体との関わりのプロセスを明らかにすることが目的である.半構造化インタビューを実施し,質的な分析をした結果,研究内容の変容の契機は,①指導教員からの助言,②ゼミの先輩からの助言,③同じ関心を持つ学外の他者との対話,の3つに類型化できた.ゼミ内の実践共同体として「班制度」の有無に着目した結果,研究内容の変容に関して,班がある学生は『他者によるゆさぶり』,班がない学生は『他者との対話』が契機となった.また,班の有無により,異なる実践共同体に関与し,異なる研究プロセスをたどる可能性が示唆された.