著者
一関 千聡 武井 良子
出版者
昭和大学学士会
雑誌
昭和学士会雑誌 (ISSN:2187719X)
巻号頁・発行日
vol.83, no.5, pp.309-316, 2023 (Released:2023-11-30)
参考文献数
10

急性期リハビリテーションにおける言語聴覚療法の対象領域は,摂食嚥下障害,構音障害,失語症を始めとする高次脳機能障害などによって起こるコミュニケーション障害への対応など多岐にわたる.藤が丘病院リハビリテーション室に言語聴覚士が配属されたのは2019年からであり,年々処方数は増加傾向にある.藤が丘病院における言語聴覚療法の現状を明らかにするために 2022年度の言語聴覚療法の実績調査を行った.その結果,言語聴覚士1名が1年間に依頼を受けた患者数は575名であり,対象となる原疾患も多様であることが明らかとなった.初回介入時に対象とした障害は摂食嚥下障害が最も多く,急性期摂食嚥下障害に対するリハビリテーションのニーズが高まっていることが伺えた.発症から言語聴覚士の初回介入時期については,67%の患者に発症後1週間以内に介入しており,早期から言語聴覚療法が必要とされることが明らかとなった.食事やコミュニケーションに支障をきたす急性期患者は多く,言語聴覚療法の需要は高い.しかし,急性期病院における言語聴覚士は少ないのが現状であり,その中で患者へ提供する医療の質を維持・向上させるためには,他職種との連携をより強化することや,少ない介入頻度でも高い効果が得られる方法を模索することが必要であると考える.また,昭和大学附属病院において急性期言語聴覚療法をより活発に実施していくためには,急性期リハビリテーションを担うことができる言語聴覚士の教育に取り組むことが急務である.さらに,急性期言語聴覚療法の必要性を示していくために,急性期言語聴覚療法の有効性を明らかにするためのデータを蓄積していくことが必要である.
著者
藤井 三晴 栗原 祐史 代田 達夫 八十 篤聡 武井 良子 高橋 浩二
出版者
昭和大学学士会
雑誌
昭和学士会雑誌 (ISSN:2187719X)
巻号頁・発行日
vol.75, no.5, pp.567-572, 2015 (Released:2016-03-09)
参考文献数
7

今回,われわれは構音障害を主訴に来院した,巨大な口蓋隆起と両側性の下顎隆起の症例を治療する機会を得たので報告する.症例は60歳男性である.口蓋および下顎舌側臼歯部の骨隆起を放置していたところ徐々に増大し,構音障害を生じたため,当科を受診した.初診時,口蓋正中部に約27×20×14mm,上顎右側臼歯部に約16×11×13mmの骨様硬の膨隆を認め,下顎右側前歯部舌側から臼歯部にかけて約6×7×8mm,下顎左側前歯部から臼歯部にかけて約20×14×13mmの骨様硬の膨隆を認めた.全身麻酔下で,口蓋隆起および下顎隆起除去術を施行した.術前と術後で構音障害について,発語明瞭度検査,文章了解度検査,会話明瞭度検査により評価したところ,術後に改善が確認された.また,患者本人も術後に構音障害の改善を自覚し,満足感を得ていた.なお,創部の治癒経過も良好であった.