著者
太田 泉 武田 光能
出版者
関西病虫害研究会
雑誌
関西病虫害研究会報 (ISSN:03871002)
巻号頁・発行日
vol.56, pp.1-5, 2014
被引用文献数
7

害虫アザミウマ類の捕食性天敵であるタイリクヒメハナカメムシに,コリアンダー,シロツメクサ,スィートアリッサム,スカエボラ,ソバ,ディル,バーベナ,ハゼリソウ,ホーリーバジル,マリーゴールドの花もしくは葉を与えて飼育し,生存期間の比較を行った.フレンチマリーゴールドを除く9種類の植物において,花を与えられた個体は同植物の葉を与えられた個体よりも長く生存できた.特に,コリアンダー,スィートアリッサム,スカエボラ,ソバ,ディル,ホーリーバジルの花では,生存期間が葉の場合の4倍以上長くなった.タイリクヒメハナカメムシ幼虫にソバの花を与えて飼育した場合,成虫までに発育できた個体は,スジコナマダラメイガ卵を与えた個体より少なく,また,成虫まで発育した個体の後脚脛節長もスジコナマダラメイガ卵で発育した個体より短くなった.さらに,雌成虫にソバの花を与えた場合の産卵数も,スジコナマダラメイガ卵を与えた個体の産卵数より少なかった.