著者
武田 和夫
出版者
日本監査研究学会
雑誌
現代監査 (ISSN:18832377)
巻号頁・発行日
vol.2013, no.23, pp.35-42, 2013-03-31 (Released:2017-05-21)
参考文献数
8

わが国の「公認会計士法」の起源は,明治42年の日糖事件とその後の『公許会計士制度調査書』にみることができる。そこで,公認会計士法制定までの経緯と平成15年改正の内容を考察することにより,当時の職業会計士の業務内容を詳らかにし,公認会計士の使命がパブリックの概念を意識することにあり,その結果,経済主体のガバナンスの支援と内部統制のチェックを遂行することが業務の本質になることを解明した。その上で公認会計士による監査業務と内部監査の共通性を指摘し,公認会計士の内部監査への関与方法について,外部者と内部者の2つの立場から検討を加えている。前者としての立場からは,内部監査部門との共同実施の形態をとり,専門的知見に基づいた内部監査サービスを提供しなければならない。また後者の立場からは,パブリックの概念を保持することの重要性を指摘した。
著者
武田 和夫 石黒 寛 田中 里恵 丸山 純一 笠松 隆志 大川 真 堀 伸二郎
出版者
[日本食品衛生学会]
雑誌
食品衛生学雑誌 (ISSN:00156426)
巻号頁・発行日
vol.43, no.5, pp.280-288, 2002-10-25
参考文献数
7
被引用文献数
2 11

残留農薬の一斉分析に,GC/MS/MSを使用したときの感度及び精度を明らかにし,その有用性を検証することを目的として検討を行った.4種の農産物(ほうれんそう,にんじん,たまねぎ及び玄米)をそれぞれアセトン抽出し,GPCカラム及びグラファイトカーボンカートリッジで精製したものをマトリックス試料とし,35種類の農薬を添加して分析精度の検討を行った.その結果,検出限界はGC/MS (SIM)と比較してほぼ同等であった.各種マトリックスを添加した農薬標準溶液の測定再現性は,0.1 μg/mL及び0.05 μg/mLの濃度においてそれぞれ良好であったが,0.02 μg/mLでは35農薬中20農薬において変動係数が 10% 以上となった.SIM測定では避けられないマトリックス成分による妨害ピークも,GC/MS/MSを使用することによって影響を排除できる例が複数確認された.