- 著者
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宇田 篤史
吉田 都
原口 珠実
櫨川 舞
水本 篤志
山本 和宏
平野 剛
内田 享弘
平井 みどり
- 出版者
- 日本病院薬剤師会
- 雑誌
- 日本病院薬剤師会雑誌 (ISSN:13418815)
- 巻号頁・発行日
- vol.52, no.5, pp.529-532, 2016-05
現代の日本人における不眠症の有病率は、成人で約20%と言われている。睡眠治療にはベンゾジアゼピン系睡眠薬が主に使用されているが、より依存性が低い非ベンゾジアゼピン系睡眠薬として、ゾピクロン錠やエスゾピクロン錠が広く使用されている。両剤はともに味覚異常を示すことで知られているが、エスゾピクロン錠は、ラセミ体であるゾピクロンから、活性を有するS体のみを精製して開発されており、明確な違いは明らかではない。そこで本研究では、両剤の苦味を比較することを目的に検討を行った。その結果、苦味特異的な物質に反応を示す味覚センサ試験で、ゾピクロン錠がより強い苦味を示した。さらに健康成人を対象としたヒト官能試験でも、ゾピクロン錠でより強い苦味を示すことが認められた。本検討は薬剤の苦味強度を示すものであるが、エスゾピクロン錠に比べてゾピクロン錠がより強い苦味強度を有する可能性が示唆された。