著者
水田 貴将 田中 直人 塩津 翠彩 村瀬 ゆり 張 海峰 趙 暁婷 解 爽 西本 一志
出版者
情報処理学会
雑誌
インタラクション2017論文集
巻号頁・発行日
pp.186-189, 2017-02-23

本研究では漢字形状記憶の損失を防ぐための漢字入力方式G-IMにゲーミフィケーションの要素を取り入れることで,G-IM使用の際に生じる抵抗感を低減するシステム「BanG-IM」を提案する.G-IMは,文字変換時の候補の中に,誤形状漢字をランダムに差し込むことで利用者が持つ漢字形状記憶の再構築を支援するものであるが,利用者が使いたいと思わないという問題がある.そこで,我々は罰ゲームの一種として浸透している風船割りゲームに着目した.本システムは同一室内での複数人での利用を想定している.利用者の個人ブースの頭上には,それぞれ風船が設置してあり,誤字入力が行われると該当する利用者の風船が膨らんでいく.また,中央にある共有スペースにも大きな風船が設置してあり,すべての利用者の誤字入力に対してその都度膨らんでいく.実装したシステムの評価実験を行ったところ,本システムを利用することでG-IM特有の抵抗感を低減できる可能性が示唆された.
著者
水田 貴将 高島 健太郎 西本 一志
出版者
Information Processing Society of Japan
雑誌
情報処理学会研究報告. HCI, 研究報告ヒューマンコンピュータインタラクション (ISSN:21888760)
巻号頁・発行日
vol.2018, no.1, pp.1-7, 2018-03-09

バンド活動などにおけるドラム演奏は,主にパターン演奏とフィルインという演奏技法で構成されている.フィルインとは,パターンとパターンの間やパターンの最後などに差し込まれる即興的な演奏のことで,うまく活用することで楽曲に変化をつけることができる.しかし,フィルインでは自由な演奏が可能にも関わらず,毎回どこか同じような演奏してしまいうといった問題を抱えているドラム奏者も少なくない.これは,ドラム演奏における自己表現機会の損失と言える.我々は,この問題を解消すべく,「ExHabitter」を開発した.このシステムは,行き詰りの原因の一つと想定される「奏者の癖」をシーケンシャルパターンマイニングによって抽出し,GUI上で奏者の演奏に対するフィードバックを行うことで,行き詰まりからの脱却を支援する.本稿では,ExHabitterの構成について述べるとともに,ExHabitterを用いたユーザスタディの結果を示し,それに基づき提案手法の有効性について検証する. : A drum performance can be classified into two parts: "Pattern" and "Fill-in". Fill-in is an improvised performance, commonly performed at the end of a pattern or between patterns. A drummer can express his / her own creative idea in the fill-in performances. However, there is a problem that many drummers often unconsciously perform similar fill-ins. To solve this problem, we developed a system named "ExHabitter," which supports the drummers to get rid of the habitual fill-in performances. This system extracts "habits of the player" from his / her performances by using a sequential pattern mining technique, and provides feedback to him / her so that he / she consciously grasp his/her habitual performances to get out of the deadlock situations. This paper describes the setup of ExHabitter, and investigates its effectiveness based on results of user studies.