- 著者
-
永井 武
- 出版者
- 法政大学イノベーション・マネジメント研究センター
- 雑誌
- イノベーション・マネジメント (ISSN:13492233)
- 巻号頁・発行日
- vol.17, pp.119-140, 2020-03-31 (Released:2020-03-31)
- 参考文献数
- 28
産業クラスターにおける知的財産の戦略的活用政策は、テック系ベンチャーなどの新産業創出、更には地域経済活性化においても重要である。本稿では、産業クラスターにおいて集積する企業の中でも、特に競争力を持つ付加価値型産業である研究開発型産業や各研究機関等(以下「R&D型産業」という)を主な研究ターゲットとしている。この産業クラスターにおいては、各地域に特徴的な知的財産(本稿では「特許」を対象とする)も集積している。この知的財産が集積しているということは、知的財産を生み出す発明者の知識も集積していることが想定される。更には、この知識の集積現象を捉え、且つそのメカニズムを活用することができるならば、地域経済活性化を実現していくための地域産業政策を導き出していくことが可能となる。そこで本稿では、前述してきた問題意識を持ち、産業クラスター地域として首都圏と地方を結ぶ3地域を対象に、特許情報を活用して地域系特許集積から形成される特許集積群(パテントクラスターと称する)を導出し、分析結果の現象を活用した地域産業政策立案手法について検討を行った。