- 著者
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竹原 勝之
永山 慶一
- 出版者
- 一般社団法人 日本航空宇宙学会
- 雑誌
- 日本航空宇宙学会誌 (ISSN:00214663)
- 巻号頁・発行日
- vol.64, no.12, pp.353-357, 2016-12-05 (Released:2016-12-08)
MCH-101はAgusta Westland社(以降AW社と呼ぶ)のEH101(現AW101)を川崎重工業株式会社が海上自衛隊向けに改修した機体であり,平成18年に海上自衛隊に初号機が納入されてから輸送用ヘリコプタとして運用されている.米国製の機雷捜索・掃海システムをMCH-101に適合させ,近代化したシステムによる機雷捜索・掃海を可能とするために,平成18年度から社内及び官側研究による調査及び研究作業を実施し,平成23年度から製造契約による掃海仕様の設計,製造,試験を開始,平成27年2月に会社で実施する飛行試験による技術確認をすべて完了しMCH-101掃海仕様初号機を納入した.会社で実施した技術確認試験では,システム統合試験で複数装備品を連接した状態で正常に機能することを確認した後,電磁干渉確認,振動確認,飛行性確認等を飛行状態で実施した.本稿では最も近代化された掃海用ヘリコプタであるMCH-101掃海仕様の開発の経緯及び掃海用装備品の概要を紹介する.