著者
鵜飼 達彦 長尾 徹 永田 喬 釜池 光夫
出版者
一般社団法人 日本デザイン学会
雑誌
デザイン学研究 (ISSN:09108173)
巻号頁・発行日
vol.49, no.3, pp.111-120, 2002-09-30 (Released:2017-07-19)
参考文献数
12
被引用文献数
5

鉄道路線図は、公共性の高さにも関わらず、公的な基準がなく、路線図デザインの先行研究も少ない。本論は鉄道路線図デザインの基本となる路線網の普遍的な位相図化における路線結節部の駅シンボル表記方法の確立を目的とした。本論におけるシンボル単体の図形記憶実験と路線図上での記憶実験から路線図の記憶に関して駅表記方法の影響はないことが判明した。また結節駅に求められる要素を含んだ6種の表記方法の検索実験の結果にも差がみられなかったことから、路線図の記憶・検索性は位相図としての形状が適切であれば良いことが確認された。つまり、駅に必要な情報が含まれていればデザイナーの裁量で形状を決定しても差し支えないと言うことである。次に「親しみやすい」「美しい」を評価項目として結節駅に求められる情報を含んだサンプルに対し一対比較を行い、真円表記で路線の位置関係が示されている形式が最適な表記法であることが判明した。