著者
西田 哲也 江田 昌弘 嶋田 浩一 山田 潔 伊藤 公一 村井 正大
出版者
特定非営利活動法人日本歯周病学会
雑誌
日本歯周病学会会誌 (ISSN:03850110)
巻号頁・発行日
vol.35, no.4, pp.692-697, 1993-12-28
被引用文献数
34 3

本実験の目的は,アクア酸化水(OX水)のプラーク形成抑制効果について検討することである。日本大学歯学部学生および大学院生,歯周病科医局員計13名(男子8名,女子5名)を被検者とした。ヒト第三大臼歯より大きさ5×5×1mmに切り出した象牙質試験片を埋入した口腔内保持装置を作製した。実験期間は7日間とし,装置を口腔内に装着しOX水で,朝夕(8:00, 17:00)1日2回(1回30秒)洗浄を行った。対照として,0.2%クロルへキシジン水溶液と生理食塩液を用いた。一試験片上に形成されたプラークの様相を,走査型電子顕微鏡で観察を行った。その結果,OX水で象牙質片を洗浄することで,0.2%クロルヘキシジン水溶液と比較して若干劣るものの,生理食塩液で洗浄した場合よりも明らかにプラーク形成量が抑制され,かつ初期プラーク形成における構成細菌叢に対して影響があった。このことから,OX水が化学的プラークコントロールの一方法として臨床応用できることが示唆された。