著者
佐川 康貴 山田 一夫 烏田 慎也 江里口 玲
出版者
公益社団法人 日本コンクリート工学会
雑誌
コンクリート工学論文集 (ISSN:13404733)
巻号頁・発行日
vol.25, pp.135-145, 2014 (Released:2014-09-15)
参考文献数
9
被引用文献数
3 2

国内で産出する安山岩をペシマム混合率で混合したコンクリート供試体を作製し,加速および暴露試験を行った。両試験で,アルカリ総量3.0kg/m3以下である2.6kg/m3の条件で大きなASR膨張が認められ,暴露試験においては暴露期間780日で表面の膨張率は1250×10-6となり,反応性の高い骨材をペシマム条件で使用すると従来のアルカリ総量規制が不十分であり,この現象が加速試験でも検出できることが示された。ペシマム条件において,短期間では混合率15mass%以上のフライアッシュで抑制効果が得られたが,より長期の検討が必要である。鉄筋を配置した供試体では,鉄筋で拘束された内側コンクリートの膨張率が表面よりも著しく小さい結果となった。
著者
上田 隆雄 河野 惇平 飯干 富広 江里口 玲
出版者
一般社団法人 セメント協会
雑誌
セメント・コンクリート論文集 (ISSN:09163182)
巻号頁・発行日
vol.70, no.1, pp.321-327, 2017-03-31 (Released:2017-03-31)
参考文献数
7
被引用文献数
1 1

アミノ酸の一種であるアルギニンを混入したコンクリートは、海洋環境においてコンクリート表面への藻類の付着が促進され、魚類等の生物生息環境が改善できることや、高い塩基性によりコンクリート中の鉄筋腐食環境を改善することが報告されている。本研究ではフライアッシュコンクリートや高炉セメントを用いたコンクリートにアルギニンを添加した場合の自己治癒性能について実験的に検討を実施した。この結果、特にフライアッシュコンクリートでは、圧縮載荷によって発生した損傷の自己治癒性能が、アルギニンを添加することによって向上する傾向を示した。