著者
猶木 克彦 副島 研造 池村 辰之助 浜本 純子
出版者
慶應義塾大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2011

EGFR変異陽性肺癌にはEGFR阻害剤が著効するが、多くは1年以内に増悪(耐性化)するため、その克服が重要である。細胞株を用いた検討により、これまで報告されていない繊維芽細胞増殖因子(FGF)および受容体(FGFR)が、EGFR阻害剤耐性に関与することを明らかにした。臨床検体では、FGF9高発現が肺癌患者の予後に関係することを見出した。FGFを肺上皮細胞に導入すると形質転換し、免疫不全マウスでの腫瘍形成が促進し、FGF阻害剤によりそれが抑制された。FGF/FGFR経路が肺癌の予後・腫瘍形成・耐性化に関与しており、治療標的となることを、細胞株から臨床検体レベルまでにおいて系統的に明らかにした。