著者
池田 奈菜子 竹林 崇 花田 恵介 島田 真一
出版者
一般社団法人 日本作業療法士協会
雑誌
作業療法 (ISSN:02894920)
巻号頁・発行日
vol.40, no.4, pp.466-472, 2021-08-15 (Released:2021-08-15)
参考文献数
17

要旨:【はじめに】慢性腎臓病を併発した脳卒中患者は低栄養状態に陥りやすい.【方法】慢性腎臓病を呈している脳卒中患者にリスク管理や栄養管理に注意しながら入院・外来リハビリにて複合的な上肢機能練習を実施した.【結果】入院期間中は麻痺手の瞬発的な筋出力は改善したが,持久力を伴う生活場面の使用には支障をきたしていた.退院後,新たに栄養状態を改善するために処方された腎不全患者用の配合薬を摂取しながら運動を行った.結果,持久力の向上が得られ,日常生活で右手の使用頻度に改善が得られた.【結論】腎臓病を併発した脳卒中患者に対しても,適切な運動負荷に加え栄養指導を行うことで長期的な上肢機能の改善が得られる可能性がある.