著者
池田 悠平 岡田 佳子 堀江 亮太 菅谷 みどり
雑誌
マルチメディア,分散協調とモバイルシンポジウム2016論文集
巻号頁・発行日
vol.2016, pp.149-161, 2016-07-06

近年,日本では単独世帯の増加や高齢化が進み,セラピーロボットの需要が高まっている.そのようなロボ ットとしてパロが挙げられるが,人が行動を起こすことが前提でありパロの方から行動を起こすことはない.そこ で,本研究では人の行動を前提とせず人の感情を推測できるロボットの実現を最終目的とし,第一段階として,記号 / 感情モデルをもとにした新しい感情の推測手法の提案をする.記号 / 感情モデルとは,客観的に読み取りやすい 「記号」 と,客観的に読み取りづらい 「感情」 とを分ける考え方である.本研究では,「記号」 には表情を,「感情」 に は脳波と脈拍を用いて,どちらが真とする感情の値との誤差を低く推測できるか実験を行った.結果,脳波と脈拍の方が誤差が小さいという結果になった.そこで,より正確さを向上させるため,感情の起伏の度合いとタイミン グを測定,主観評価と比較する実験を行い,より正確に感情を推測できた.そこで,人数を増やして実験を行った ところ,個人によって誤差の大きさが違った.そこで属性のアンケートを取り相関を調べたところ幾つかの属性と誤差の大きさが相関を持つことが示唆された.