著者
物部 真奈美 池田 麻衣 江間 かおり 徳田 佳子 山本(前田) 万里
出版者
日本茶業学会
雑誌
茶業研究報告 (ISSN:03666190)
巻号頁・発行日
vol.2012, no.114, pp.114_29-114_36, 2012-12-31 (Released:2015-10-30)
参考文献数
10

緑茶冷水(4℃)浸出液を飲用することによる粘膜免疫系の活性効果は,マクロファージの活性上昇と正の相関が認められている。そこで,本報では,マクロファージ様細胞の貪食能を指標に,緑茶冷水浸出液による自然免疫系の活性化について,茶期及び品種による違いを調べた。その結果,緑茶冷水浸出液のEGC/EGCGが約2を超えていることが必要条件であり,かつEGC量が十分量含まれていれば,茶品種・年度に関わらず活性を得られることが示唆された。さらに,茶期が進むに従いカテキン含量が上昇するため,茶期の進んだ茶葉を利用すると効率良く成分を得ることが可能である。また,品種によっても茶葉中EGC含量に違いがあり,本報告の環境条件下で調べた茶品種の中では「ゆたかみどり」が全ての茶期でEGC含量比が高く,効率良く高EGC浸出液を得られる品種であった。