著者
物部 真奈美 安藤 興一
雑誌
Isotope news (ISSN:02855518)
巻号頁・発行日
no.607, pp.2-5, 2004-11-01
参考文献数
10
著者
野村 幸子 物部 真奈美 松尾 喜義
出版者
日本茶業学会
雑誌
茶業研究報告 (ISSN:03666190)
巻号頁・発行日
vol.2016, no.121, pp.23-35, 2016-06-30 (Released:2018-07-01)
参考文献数
15

「日本食品標準成分表」等のデータベースを用いて,茶と野菜の成分値を比較した結果,抹茶や玉露,煎茶を丸ごと食べることによって,ビタミンAやビタミンEの不足を補うことができる可能性が示唆された。しかし,茶を食す場合でも過剰に摂取することは禁物で,1人前1食分の上限を数グラムとし,香りや味,色合いなどを楽しむことに重点を置いて使用量を設定することが重要であると思われる。
著者
物部 真奈美 野村 幸子 江間 かおり
出版者
日本茶業学会
雑誌
茶業研究報告 (ISSN:03666190)
巻号頁・発行日
vol.2021, no.131, pp.9-14, 2021-06-30 (Released:2023-07-01)
参考文献数
13

カフェイン+EGCG/テアニン+アルギニンのモル比が2未満の高級抹茶を継続摂取するとストレッサーによる侵襲を受けにくいことが既に報告されている。一方,カフェイン+EGCG/テアニン+アルギニンのモル比が2以上の抹茶ではストレッサーによる侵襲を受けてしまうことが本研究でも明らかになった。しかし本研究では,上記モル比が2以上の抹茶ラテを飲用していた場合,不安状態における交感神経系を介したストレス防御反応の低下を抑える可能性があることが示された。
著者
物部 真奈美
出版者
公益社団法人 日本農芸化学会
雑誌
化学と生物 (ISSN:0453073X)
巻号頁・発行日
vol.59, no.10, pp.504-511, 2021-10-01 (Released:2022-10-01)
参考文献数
43

緑茶(Camellia sinensis L.)には免疫に関与する成分が含まれているが,免疫を賦活する作用があるものや,またその逆の作用を示す成分もある.しかし,緑茶の淹れ方や品種を選ぶことで,そのバランスを大きく変えることができる.ここでは,免疫に関与する緑茶成分と報告されている生理活性,温度による緑茶成分の溶出性の違いについて解説する.
著者
山本(前田) 万里 奥田 祐 大菅 武 物部 真奈美
出版者
公益社団法人 日本食品科学工学会
雑誌
日本食品科学工学会誌 (ISSN:1341027X)
巻号頁・発行日
vol.61, no.12, pp.586-591, 2014-12-15 (Released:2015-01-31)
参考文献数
33

茶葉中の健康機能性成分であるメチル化カテキン,エピガロカテキン(EGC),テアニンを給茶機RICH+®を用いて短時間で自動抽出する条件を検討した.最適抽出条件と飲用カップ1杯(120 mL)当たりの最大抽出量は次のとおりであった.茶葉中にメチル化カテキンを1.7 %含有する「べにふうき」緑茶1.9 gを94°C20秒間攪拌抽出することによって19 mgのメチル化カテキンが抽出された.EGC/EGCG含有比1の「ゆたかみどり」緑茶1.5 gを10°C30秒間攪拌抽出することによってEGC/EGCG含有比2.5のEGC 39 mgが抽出された.テアニンを1.4 %含有する「さえみどり」緑茶1.7 gを65°C20秒間攪拌抽出することによってテアニン20 mgが抽出された.メチル化カテキン,EGCに関しては,健康機能性が期待される1日必要成分量のおよそ 1/2量であった.
著者
物部 真奈美 江間 かおり 徳田 佳子 山本(前田) 万里
出版者
日本茶業学会
雑誌
茶業研究報告 (ISSN:03666190)
巻号頁・発行日
vol.2012, no.113, pp.113_71-113_76, 2012-06-30 (Released:2015-10-30)
参考文献数
11
被引用文献数
1 1

Catechins, one of the main components in green tea extract, have antioxidative activity and immunomodulating activities, and play an important role in reducing the risk of disease. The most abundant catechins in a green tea extract are epigallocatechin gallate (EGCG) and epigallocatechin (EGC), and the EGCG/EGC ratio in a green tea extract was affected by the extraction temperature. We found that the cold water extract or the catechin mixture with a high EGC ratio induced greater immunoglobulin A (IgA) production by murine Peyer's patch (PP) cells. Here, we investigated the effect of cold water extract of green tea on salivaly sIgA levels in habitual green tea (hot water extract) drinker.
著者
物部 真奈美 池田 麻衣 江間 かおり 徳田 佳子 山本(前田) 万里
出版者
日本茶業学会
雑誌
茶業研究報告 (ISSN:03666190)
巻号頁・発行日
vol.2012, no.114, pp.114_29-114_36, 2012-12-31 (Released:2015-10-30)
参考文献数
10

緑茶冷水(4℃)浸出液を飲用することによる粘膜免疫系の活性効果は,マクロファージの活性上昇と正の相関が認められている。そこで,本報では,マクロファージ様細胞の貪食能を指標に,緑茶冷水浸出液による自然免疫系の活性化について,茶期及び品種による違いを調べた。その結果,緑茶冷水浸出液のEGC/EGCGが約2を超えていることが必要条件であり,かつEGC量が十分量含まれていれば,茶品種・年度に関わらず活性を得られることが示唆された。さらに,茶期が進むに従いカテキン含量が上昇するため,茶期の進んだ茶葉を利用すると効率良く成分を得ることが可能である。また,品種によっても茶葉中EGC含量に違いがあり,本報告の環境条件下で調べた茶品種の中では「ゆたかみどり」が全ての茶期でEGC含量比が高く,効率良く高EGC浸出液を得られる品種であった。
著者
物部 真奈美
出版者
日本茶業学会
雑誌
茶業研究報告 (ISSN:03666190)
巻号頁・発行日
vol.2012, no.113, pp.113_1-113_9, 2012-06-30 (Released:2015-10-30)
参考文献数
34

放射能汚染による生体影響で危惧される影響の1つに「がん」がある。遺伝子異常の蓄積の結果,発がんに至ると考えられており,できる限りがんリスク要因を減らすことが重要である。また,生体は障害を防ぐ機構を備えており,その機能低下を防ぐことも重要であると考えられる。 報告されている放射線を用いた研究結果からは,緑茶の飲用による放射能汚染からの明確な防護効果を見出すことは難しい。しかし,これまでに報告されている緑茶の飲用による生体内抗酸化能の増加や免疫系への作用を考えると,緑茶の飲用が,個々が持っている障害への抵抗力を増加し,ひいては発がん抑制機構の一部を補助する可能性のあることが期待できる。期待できるといっても,緑茶を飲めば「がん」やその他病気にかからないということではなく,数あるリスクのうちのいくつかを減らす可能性があるとまでしかいえないのが現状である。