著者
長瀬 博 沓村 憲樹
出版者
公益社団法人 日本薬学会
雑誌
ファルマシア (ISSN:00148601)
巻号頁・発行日
vol.56, no.9, pp.846-850, 2020 (Released:2020-09-01)
参考文献数
23

鎮痛作用に関与するオピオイド受容体にはμ、δ、κの3つのタイプがあり、依存性はμ受容体を介して発現する。長瀬らは、独自のモルヒナン構造を母核としたκ受容体選択的作動薬ナルフラフィンの創出し、難治性そう痒症治療薬として上市に成功した。また、ナルフラフィンを用いて、なぜ引っ掻くと痒みが鎮まるのかという長年の謎の解明に迫った。さらに、鎮痛薬として開発したδ受容体作動薬の光学異性体が、アトピー性の痒みに関与するMRGPRX2に作動活性を示す事も見出した。