著者
大佛 俊泰 沖 拓弥 岸本 まき
出版者
東京工業大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2017-04-01

災害発生後の混乱や群集事故等の二次的被害を低減するためには,まず,「どのような人(年齢・性別・職業)が,いつ(季節・曜日・時刻),どこで(場所・施設),何を(滞留・移動目的)しているのか」という,都市内滞留者・移動者の精緻な人口動態を推計し,これを用いた群集の誘導や制御を行うことが必要である。本研究課題では,複数の人口動態データを組み合わせることで,詳細な属性情報を備えた精緻な都市内滞留者・移動者に関するデータベースを生成する方法を構築し,大地震発生後の流動人口を予測するシミュレーションモデルを開発することで,被害・混乱の抑制方策を支援するための技術を開発した。
著者
沖 拓弥
雑誌
第78回全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.2016, no.1, pp.5-6, 2016-03-10

東日本大震災時,首都圏では,地震による直接的な被害は軽微であったにもかかわらず,徒歩帰宅者や交通機関の運行再開を待つ人々によって,主要道路や一時滞在施設,鉄道ターミナル駅等は大きく混雑した。この反省を生かし,大地震時に生じる混雑の抑制策について検討することは,将来の首都直下地震や南海トラフ地震に備える上で重要である。しかし,東日本大震災時に,いつ,どこで,どの程度の混雑が生じたかを具体的に示している既往研究やデータは少ない。本稿では,東日本大震災時における首都圏の混雑状況に関するtweet(混雑ツイート)から,共起する地名・固有名詞・ジオタグ情報・時系列情報等を抽出し,混雑ツイートの頻度や時空間的特徴について基礎的な分析を行う。さらに,平常時の混雑ツイートとの比較や,他の入手可能なデータを用いた検証も試みる。