著者
遠藤 圭晟 飯塚 泰樹
雑誌
第78回全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.2016, no.1, pp.153-154, 2016-03-10

グリコゲームはじゃんけんの勝った手により,階段を3段,あるいは6段進むゲームである.一般にグリコゲームは,グー:チョキ:パーが2:2:1という単純な比率の混合戦略が最適戦略とされてきた.本研究では有限な階段におけるゲームをコンピュータ上でシミュレーションし,最適とされた混合戦略を検証した.その結果,既知の混合戦略には誤差があることが実験的,理論的に確認された.
著者
高 月菲 張 丘平 延原 肇
雑誌
第78回全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.2016, no.1, pp.617-618, 2016-03-10

電子データの改ざんと偽造しやすい問題点に対して、「信頼できるタイムスタンプ」(Trusted Timestamp)という、電子データの存在性と非改ざん性を証明する技術がある。すなわち、「いつ、誰が、どのようなものを作ったか」を証明することができる。しかし、第三者機関(タイムスタンプ認証局、時刻認証局など)に依存する信頼できるタイムスタンプは、1) 手続きが煩雑、2) 時間が長い、3) 費用が高いの3つ問題点がある。それらに対して、本研究では、ブロックチェーンという技術を利用し、信頼できるタイムスタンプを第三者機関に依存せず、分散的に実現する。さらに、提案手法の安全性と有効性を議論する上、実験で費用と時間を評価する。
著者
佐藤 翼 袴田 和則 木村 卓哉
雑誌
第78回全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.2016, no.1, pp.55-56, 2016-03-10

初詣や花火大会などの大規模イベント開催時には、会場周辺の雑踏警備に当たる警察および警備会社は、歩行者の混雑度を把握し適切な措置・誘導を行う必要がある。 そこで我々は、歩行者の混雑度を把握するためのパラメータとして歩行者の移動時間に着目した。歩行者が持つスマートフォンなどの携帯端末に備わっているBluetoothおよびWi-Fiの無線通信機能を利用して移動時間を推定することにより、歩行者の混雑度を推定するシステムを考案した。現在は、移動時間の推定精度を向上させる手法について研究を進めている。 本発表は、歩行者の移動時間を推定するシステムについて、推定精度向上手法の有効性について検証した実証実験の結果について述べる。
著者
川村 大地 横山 真男
雑誌
第78回全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.2016, no.1, pp.463-464, 2016-03-10

和音の機能にはトニック(T)、ドミナント(D)、サブドミナント(SD)の3つの働きがあり、西洋音楽のルールとして進行するものが決まっている。しかしなぜ限定進行音が主和音に解決するのか分かっていない。本研究ではCメジャーコードを聴かせた後、C〜Bの7種類の単音を聴かせ、続けて半音含めたC〜Bの12種類の単音をピアノのMIDI音源と純音を聴き比べてもらい、アンケートをとった(1オクターブ内に収めた、7×12の84通り)。今回は楽器の演奏経験や楽典の知識の有無でどの様な知覚的な差があるのかという点に着目した。
著者
吉田 惇 齊藤 剛
雑誌
第78回全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.2016, no.1, pp.143-144, 2016-03-10

2次元画像から3Dモデルを作成するための方法は種々報告されているが、本研究では、階層型の3Dモデル構造であるシャドーボックスによる3D化を試みる。 シャドーボックスとは, 紙に描かれた模様や形を切り抜き, 立体的に重ねるペーパークラフトである. 本研究では, 入力画像を領域分割しグラフカットにより切り抜き, シャドーボックスの各レイヤを作成することにより、1枚の画像から作成する楽しみを残しつつ, インターラクティブにシャドーボックスが生成できるシステムの開発を行う. 本稿では, 作成各段階での手法について述べる.
著者
大原 遼太郎 小早川 倫広
雑誌
第78回全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.2016, no.1, pp.137-138, 2016-03-10

実践的なコンピュータ教育の教材として東京工業大学の吉瀬らが提案した教育用FPGAボードMieruEMBは、実際にコンピュータを「つくる」「動かす」という一貫した教育を実現している。さらに実践的な教育を行うためには、コンピュータを「つくる」「動かす」に加え、「つなげる」という教育を行う必要がある。 「つなげる」という教育を実現するためには、ネットワークに接続するための新たな教育用FPGAボードを開発する必要がある。そこで本研究では「つくる」「動かす」「つなげる」をコンセプトとした、実践的なコンピュータ教育を行うたの教材として教育用FPGAボードを設計・開発した。
著者
武藤 真弘 櫻井 彰人
雑誌
第78回全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.2016, no.1, pp.141-142, 2016-03-10

近年、様々な手段により料理のレシピを手に入れることができる。しかし膨大なレシピ数の中からユーザーの好みの料理を選ぶのは難しく、結果口にあわないことが起きてしまう。同様に複数の酒や飲料から作るカクテルも組み合わせが膨大であるため、満足しない結果が起こってしまう。そこでユーザーにとって有益な情報を提供するためにレシピ情報から味を推定する。本研究では、一般の料理よりもレシピが単純であるカクテルに注目し、カクテルに関する事前知識を必要とせずに、機械学習を用いて約2200種類のカクテルレシピからカクテルの味を推定する。
著者
岡部 大介 岡部 愛 平井 智仁 大谷 紀子 岩野 公司
雑誌
第78回全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.2016, no.1, pp.521-522, 2016-03-10

本研究では,アニメのキャラクターなどに扮する遊びである「コスプレ」のポージングを協働的に構築していく状況に着目する.コスプレイヤーのポーズと表情をKinectを用いてキャプチャし,顔や身体の各部位間の位置について客観的な指標を得る.コスプレイヤーがキャラクターの特性に関する理想的な表現に近づけていく過程のデータ解析を通して,ポーズの修得や熟達に関する一人称視点での変容が,身体の動きとどのように関係しているのかを,客観的に見ていく.またあわせて,得られた結果に基づいて「表現力」を客観的な数値として自動判定する技術の可能性を検討する.
著者
中塚 貴之 森島 繁生
雑誌
第78回全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.2016, no.1, pp.187-188, 2016-03-10

CG映像における効果音の多くは実際の音を録音したものが使用されている. しかし, 実録に基づく効果音の作成には多くの労力を要するため, シミュレーション環境下で効果音を生成することに対する需要は高い. 本研究では, 効果音の中でも身近な摩擦音を物体の運動シミュレーションに基づいて生成することを目的とする. 提案手法では,近似モデルを用いて物体表面が他物体と接触する時に生じる弾性変形を表現する.弾性変形によって物体表面の振動が形成する音圧分布の空間伝播に基づき摩擦音を生成する.さらに, 近似モデルのパラメタを調整することにより, CG映像の見た目の印象に合致した摩擦音の生成を可能とする.
著者
中里 主哉 小林 えり 斎藤 和巳 風間 一洋 吉田 光男
雑誌
第78回全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.2016, no.1, pp.401-402, 2016-03-10

Twitterでは、自分がどこでツイートをしたのかを情報として発信する位置情報付きツイートを行うことができる。 位置情報を基に「あるイベントに参加したユーザがどのような行動をとっているのか」、が解明でき、 最適観光ルート案内等の研究に応用することができる。本研究では"2015年開催のコミックマーケット(コミケ)"にてつぶやいたユーザの一週間のツイートを収集し、コミケ参加ユーザがよくつぶやく(訪れる)スポット、及び、そのスポットに訪れる時刻を抽出する。調査の結果、特につぶやきの回数が多かったのは、コミケ会場である東京ビックサイトと秋葉原で、それぞれ6時頃から14時頃と、15時頃から夜に頻繁に呟かれていることが分かった。
著者
野村 信吾 中山 泰一
雑誌
第78回全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.2016, no.1, pp.533-534, 2016-03-10

ソーシャルメディアの発達により容易に情報の取得と発信が容易となった。中でもTwitterはユーザー数を増やしており、またTwitter内でスパム行為などの迷惑行為もを行うユーザーも増加している。Twitterでのスパム行為にはリツイート機能を用いたものがある。リツイートを利用したスパム行為にはスパムツイートを行う大元のユーザーと、そのツイートをリツイートするユーザーの構造がある。 本稿ではこの構造に注目してリツイート関係で繋がったスパムアカウントの検出手法の提案をする。
著者
松村 海沙 小池 崇文
雑誌
第78回全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.2016, no.1, pp.357-358, 2016-03-10

本研究では,Head Mounted Display(以下,HMD)を用いたスポーツや日常生活におけるフォーム改善システムを提案する.フォーム確認をする被験者のステレオ映像を撮影し,HMDを装着した被験者に,その映像をリアルタイムで提示する.本システムを用いることで,鏡を使って確認できない別視点から自分自身を見ることができ,リアルタイムに自分自身のフォームにフィードバックかけることができる.フォームが重要なスポーツとしては例えば弓道が挙げられる.弓道の練習では弓に見立てたゴム弓でフォームを確認する.このゴム弓の練習を対象にして,本システムの有効性を確認した.
著者
山元 亮典 橋本 周司 三輪 貴信 ギエルモ エンリケズ フェイイー ヤップ
雑誌
第78回全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.2016, no.1, pp.255-256, 2016-03-10

リズムタップダンスでは,一定のリズムでもってステップを踏むことが,よいパフォーマンスの条件とされている.したがって,ダンサーがリズムタップダンスの技術を修得する際には,ステップのリズムを定量的に計測し,演奏の特徴を評価することが役立つと考えられる.そこで,本論文では,9軸モーションセンサと圧力センサを内蔵し,ステップのタイミングと種類を同時に計測することが可能なリズム計測タップシューズを提案し,実際にこのシューズを用いてユーザ実験を実施することで,提案手法の有効性を評価する.また,提案手法によって計測されたリズムにダンサーの演奏の特徴がどのように現れるかを考察した結果について述べる.
著者
安尾 信明 関嶋 政和
雑誌
第78回全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.2016, no.1, pp.567-568, 2016-03-10

情報技術を用いた創薬では、標的に対する活性化合物を入手するためにバーチャルスクリーニングが行われるが、その精度は未だ不十分である。本研究では、バーチャルスクリーニングの精度を向上させることを目的とし、タンパク質-リガンドドッキングのポスト処理によるリランキングを行なった。具体的には、ドッキング中に計算されるリガンドとタンパク質の各残基の相互作用エネルギーをそのまま用い、活性化合物と類似した相互作用をもつ化合物が高得点となるスコアを開発した。また、GlideとDUD-Eベンチマークセットを用いて手法の評価を行った。
著者
真﨑 拓也 築地 立家
雑誌
第78回全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.2016, no.1, pp.737-738, 2016-03-10

画像認識を利用したカードゲームシステムとして、絵柄認識によるタロット占い、対人式コミュニケーションにも対応した神経衰弱、インターネット通信によるジャンケンなどが開発されてきた。本研究では、これらの要素を併せ持つ遊戯王カードゲームシステムを、市販のWEBカメラを入力とするPC環境で開発し、高速性と誤認識率を計測した。さらに、リアルカードでのインターネットを介したカードゲーム対戦を実施して、ユーザー評価実験を行った。結果として、リアルカードの絵柄認識によるオンラインカードゲーム対戦を低コストで実現するための、カード枚数の上限、ゲームルールの複雑さ、カードの操作性に関する知見を得た。
著者
武田 悠暉 山本 修平 西出 亮 高田 秀志
雑誌
第78回全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.2016, no.1, pp.249-250, 2016-03-10

近年,携帯端末の普及によりゼミや会議など1つの場所に集まって多くの端末間でコンテンツを共有するような場面が増加している.このような場面において,ファイルサーバやクラウドストレージを用いる共有方法ではアクセスポイントにアクセスが集中して通信速度が低下する可能性がある.また,USBメモリや1対1の端末間共有を用いる方法では,共有のための操作を複数回行う必要がある.そこで,本研究では多くの端末間でコンテンツの共有を可能にするようなネットワークを,iOS端末を対象に,Multipeer Connectivityフレームワークの持つ様々な制約を考慮した上で実現する.
著者
岡田 隆三 小寺 志保 富岡 昭浩 倉田 成人 濱本 卓司 猿渡 俊介
雑誌
第78回全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.2016, no.1, pp.229-230, 2016-03-10

軍艦島は,長崎県にある無人島であり,現在も経年劣化による建物の複雑な崩壊現象が発生している.筆者らは,軍艦島において崩壊中の建物の映像や音声,加速度といったデータを収集することで,建築構造解析に貢献することを目指して軍艦島モニタリングプロジェクトを進めている.本稿では,軍艦島モニタリングのためのセンサネットワークインフラシステムを検討する.軍艦島には電力も通信網も存在しないため,センサネットワークインフラシステムは,基地局まで確実にデータを送信できること,スループットが高いこと,消費電力をできるだけ小さくすることの3点を同時に満たす必要がある.本稿では,マルチチャネルを用いたデータ集約型ネットワークインフラを提案する.初期的実装として,無線通信モジュールを搭載したマイコンボードを用いてシステムを作成した.
著者
秋山 翔 加藤 拓貴 山口 拓也 平岡 隆晴 豊嶋 久道
雑誌
第78回全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.2016, no.1, pp.297-298, 2016-03-10

金融市場における取引システムには、パラメータを含む多くのテクニカル指標が利用されている。取引システムを最適化する場合、最適解が評価期間でしか有効でないオーバーフィッティングという問題がある。この問題の理由の一つとして、テクニカル指標の各パラメータが評価期間を通して固定されてしまうことが挙げられる。 本研究では、テクニカル指標のパラメータが時間により可変な取引システムを提案する。提案する取引システムを最適化することによって、パラメータが特定の値に過度に依存しない解を求めることが可能となる。この特性がオーバーフィッティングの問題の解決に役立つと期待される。
著者
佐藤 真史 穴田 浩一 堤 正義
雑誌
第78回全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.2016, no.1, pp.33-34, 2016-03-10

囲碁は、通常用いられる正方格子型の碁盤以外にも様々な形の碁盤で行うことができる。一方で、既存の研究のほとんどは正方格子型の碁盤上での着手の評価方法についてのものである。特に各交点の持つ隣接点の数が異なるような碁盤の場合、通常の囲碁で良いとされる着手が必ずしも有効とは言えない。B-Wグラフモデルおよび戦術写像は、碁盤の形状によらず対局を表現、解析できる囲碁の数理モデルである。本発表では、戦術写像を用いた機械学習法を幾つかの碁盤上で行い、共通する戦術、異なる戦術について解析する。
著者
伊東 啓 柿嶋 聡 上原 隆司 守田 智 小山 卓也 曽田 貞滋 John Cooley 吉村 仁
雑誌
第78回全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.2016, no.1, pp.577-578, 2016-03-10

北米には、13年もしくは17年に一度、大量発生するセミが生息している。このセミはその発生周期から周期ゼミ・素数ゼミと呼ばれており、なぜ素数周期で大発生するセミが誕生したのかは未だに大きな謎である。これまでの研究から、様々な周期が混在したときに、交雑の観点から素数周期だけが生き残ることが数値計算によって導かれていたが、その前段階である周期性そのものの進化は再現されていなかった。我々は、個体ベースのシミュレーションモデルを構築し、氷河期(平均気温の低下)という環境下でセミの周期性が進化する様子を再現することに成功した。これにより、氷河期による成長スピードの低下という危機的状況が周期性進化に大きく関係していることが示唆された。本結果は、環境変動によって進化が引き起こされることを明確に示したものである。