著者
加々良 耕二 町谷 晃司 高須賀 清明 河合 伸高
出版者
公益社団法人 化学工学会
雑誌
化学工学論文集 (ISSN:0386216X)
巻号頁・発行日
vol.21, no.3, pp.437-443, 1995-05-10 (Released:2009-11-12)
参考文献数
8
被引用文献数
6 4

テトラリン体の精製における溶媒媒介転移を抑制するために, 転移に及ぼす晶析温度, 溶媒組成および撹拌速度の影響についてDSCを用いて検討を行った.転移の過程を経時的に追跡した結果, ある待ち時間を経たのちS字型の曲線を示しながら, 準安定形のA形結晶から安定結のB形結晶に転移した.転移過程を溶液濃度一定, すなわち過飽和度が一定の領域に対して成長速度式を用いて解析し, 総括転移速度定数, およびB形結晶が析出し始めるまでの待ち時間と種々な晶析条件との相関を求めた.この基礎実験結果に基づき, 500lスケールでパイロット実験を行った結果, 安定形のB形結晶を含まない準安定形のA形結晶のみを製造することができた.
著者
中村 隆志 河合 伸高 町谷 晃司 加々良 耕二
出版者
公益社団法人 化学工学会
雑誌
化学工学論文集 (ISSN:0386216X)
巻号頁・発行日
vol.23, no.5, pp.618-623, 1997-09-10 (Released:2009-11-12)
参考文献数
6

イミダゾール体をエタノール水溶液中で, L-10-カンファースルホン酸と塩を形成させて光学分割する際に, 最少量の溶媒から両異性体の塩を結晶として充分析出させた後に, 少量の溶媒を徐々に添加して不要の異性体を優先的に溶解させる光学分割法を見い出した. 溶媒の添加方法にはよらず, 溶媒量により光学純度・収率が決定され, 溶解度から推算した値と一致した. 従来の冷却晶析法と比べ, 安定した収率 (50%) ・光学純度 (97%) で (+) イミダゾール体が得られ, 単位体積当たりの撹拌所要動力をスケールアップ因子として, 1,700l晶析槽で実験を行い, 1lスケールでの実験結果が再現できた.