著者
中村 隆志 楠田 哲也 市川 新 松井 三郎 盛岡 通
出版者
Japan Society of Civil Engineers
雑誌
土木史研究 (ISSN:09167293)
巻号頁・発行日
vol.15, pp.87-96, 1995-06-09 (Released:2010-06-15)
参考文献数
29

Mohenjo-Daro is widely known as one of the largest cities of Indus Civilization and with its numerous brick-made structures. In particular, its drainage system is unique among the other remains flourished at the same period of Mohenjo-Daro. As yet, this system has been interpreted as simple sewer based on the results of past archaeological researches, however few researches with the engineering point of view have been made. Therefore, the authors approached to its water supply-drainage system with the civil engineering view and tried to investigate the original purposes of the drainage system. This supply-drainage system includes some pieces of software such as water supply capacity, rainfall intensity, and water use form and also hardware such as sewer, well, and soak-pit. As a conclusion, this drainage system seems to have been made mainly for the removal of waste water from floor-paved rooms near wells.
著者
今井 雄太 肌勢 光芳 内橋 基樹 入江 大介 倉田 博之 中原 祥文 中村 隆志
出版者
公益財団法人 日本心臓財団
雑誌
心臓 (ISSN:05864488)
巻号頁・発行日
vol.42, no.11, pp.1476-1482, 2010 (Released:2012-04-24)
参考文献数
14

症例は71歳, 男性. 左冠動脈前下行枝閉塞による急性心筋梗塞で入院し, 第6病日に右冠動脈の残存病変に対して待機的に経皮的冠動脈インターベンション(percutaneous coronary intervention; PCI)を施行した. 右冠動脈近位部へのステント留置直後より心電図上V1~2においてcoved型ST上昇をきたし, 造影ではステントでjailされた円錐枝の閉塞を認めた. そのほかの血管に造影遅延や閉塞はみられなかった. ST上昇は持続していたが, 胸痛がなく小血管であったため治療を終了した. 帰室約1時間後に突然, 心室細動(ventricular fibrillation; VF)を発症したが, 迅速な蘇生術により心拍は再開し, 第24病日に独歩退院した.近年, 右室流出路(right ventricular outflow tract; RVOT)を灌流する冠動脈円錐枝の単独虚血によりBrugada症候群に極めて類似した心電図変化が出現することが報告されている. 今回, われわれは冠動脈円錐枝の閉塞によりBrugada型心電図とそれに続く致死性不整脈を発症した症例を経験した. 右冠動脈近位部に対するPCI時には, 冠動脈円錐枝にも注意を払い, 右側胸部誘導のST上昇をきたした際には, 催不整脈性を示すRVOTの虚血が不整脈を誘発するリスクが高いことを念頭に置き, 心室性不整脈の発生にも十分注意すべきである.
著者
中村 隆志
出版者
情報文化学会
雑誌
情報文化学会誌 (ISSN:13406531)
巻号頁・発行日
vol.18, no.1, pp.60-65, 2011-07-31

公共空間において「ケータイのディスプレイを見る行為」が目立ち始めた時期,ならびにその増加傾向を探るための調査を行った。今回の調査対象として,恋愛ドラマを活用することの意義を検討し,その上で恋愛ドラマ内に登場するエキストラに注目して調査を行った。1996年から2010年までに放映された恋愛ドラマを調査した結果,「ケータイのディスプレイを見る行為」を行うエキストラは,2000-2001年の間に目立って増え始めたことと,2008-2010年の間に顕著に増加することの2点の確認できた。この2つの増加傾向を引き起こすための条件として,当時の通信環境,ケータイ端末,サービスなどの変化があったことを考察した。
著者
中村 隆志 矢谷 博文 古川 惣平 荘村 泰治 絹田 宗一郎
出版者
大阪大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2005

マイクロフォーカスX線CTを用い歯科修復物と模型等の断層撮影を行い、得られたデータから歯科修復物の適合性や内部欠陥等を3次元的および非破壊的に評価することを目的に研究を行った。まず歯科修復物の適合性について、Angel Crown(Mddia)、Procera Allceram(Nobel Biocare)、IPS Empress(Ivoclar Vivadent)、4)Estenia Crown(クラレメディカル)の4種類のオールセラミックをマイクロCTを用いて計測し分析した。その結果、1)Angel crownの間隙量の標準偏差は他のクラウンより小さく,安定した適合性を有していると考えられた。2)Procera Allceramはマージンを除き全体的に均一な間隙を有していた、。3)IPS Empressは本実験に用いたCAD/CAMシステムより優れた適合性を有していた.本実験結果より,CAD/CAMオールセラミッククラウンは安定した内面の適合性を有することを,マイクロフォーカスX線CTを用いた三次元的および非破壊的評価により明らかにすることができた。次にEstenia crownを除くの3種類の材料に関して、マイクロフォーカスX線CTを用い、気泡などの内部欠陥の形や大きさ、位置を非破壊的に分析した。その結果、CAD/CAMにより作製されたオールセラミッククラウンは内部欠陥が少なく、試料間でのばらつきも少ないことがわかった.一方で、手作業でポーセレンを築盛する部分では、内部欠陥が多く見られること、また試料によって大きさ、数、場所にばらつきが見られることが示された。以上のように、マイクロフォーカスX線CTを用いることで、歯冠修復物の内部欠陥の存在や適合性を非破壊的に分析することができた。本装置を臨床の場において簡便に使用することができればオールセラミッククラウンなどメタルフリークラウンの破折をより減少させることができると考えられた。
著者
椿本 貴昭 岩崎 正一郎 瑞森 崇弘 中村 隆志 高島 史男
出版者
社団法人 日本補綴歯科学会
雑誌
日本補綴歯科學會雜誌 = The journal of the Japan Prosthodontic Society (ISSN:03895386)
巻号頁・発行日
vol.45, no.4, pp.494-503, 2001-08-10
参考文献数
34
被引用文献数
1 2

目的: 咀嚼の側性を客観的かつ定量的に評価する方法として, 左右側を指定しない自由咀嚼運動の左右側ストローク数より非対称性指数 (Asymmetry Index, 以下AI) を算出する方法を用い, 方法の妥当性, さらには食品による変化, 日間変動について検討することである.<BR>方法: 被験者として健常有歯顎者10名を選択し, チューイング・ガム, カマボコ, グミ・ゼリー, タクアン, スルメ, ピーナッツ, ジャイアント・コーンの計7種類を被験食品に用いた. 被験者に左右側を指定しない20秒間の自由咀嚼運動を行わせ, 左右側のストローク数を視覚的に数え, AIを算出した. 記録は各種食品1日1回, 1週間ごとに計3回行った.<BR>結果:(1) 左右側ストローク数からAIを算出することにより, 咀嚼の側性を定量的に表現できた.(2) 咀嚼の側性を捉える目安として, 3日間のAIの中央値, 範囲から, 各被験者を片側咀嚼型 (U型), 両側咀嚼型 (0型), 不定側咀嚼型 (V型) の3型に分類できた.(3) 軟性食品では0型が, 硬性食品ではU型が多い傾向があったが, 軟性食品内あるいは硬性食品内での性状による差は認められなかった.<BR>結論: 本実験で用いた咀嚼の側性の評価方法は客観的かつ定量的方法であり, 咀嚼の側性は各被験者において特徴的で, 食品の硬性により影響を受ける可能性が示唆された.
著者
中村 隆志 河合 伸高 町谷 晃司 加々良 耕二
出版者
公益社団法人 化学工学会
雑誌
化学工学論文集 (ISSN:0386216X)
巻号頁・発行日
vol.23, no.5, pp.618-623, 1997-09-10 (Released:2009-11-12)
参考文献数
6

イミダゾール体をエタノール水溶液中で, L-10-カンファースルホン酸と塩を形成させて光学分割する際に, 最少量の溶媒から両異性体の塩を結晶として充分析出させた後に, 少量の溶媒を徐々に添加して不要の異性体を優先的に溶解させる光学分割法を見い出した. 溶媒の添加方法にはよらず, 溶媒量により光学純度・収率が決定され, 溶解度から推算した値と一致した. 従来の冷却晶析法と比べ, 安定した収率 (50%) ・光学純度 (97%) で (+) イミダゾール体が得られ, 単位体積当たりの撹拌所要動力をスケールアップ因子として, 1,700l晶析槽で実験を行い, 1lスケールでの実験結果が再現できた.
著者
Mwaura Jelvas 梅澤 有 中村 隆志 Kamau Joseph
出版者
日本地球惑星科学連合
雑誌
JpGU-AGU Joint Meeting 2017
巻号頁・発行日
2017-03-10

The sources of anthropogenic nutrients and its spatial extent in three fringing reefs with differing human population gradients in Kenya were investigated using stable isotopes approaches. Nutrient concentrations and nitrate δ15N in seepage water clearly indicated that population density in the catchment and tourism along the coast contributed greatly to the extent of nutrient loading through the groundwater to adjacent reefs in Kenya. Although water column nutrient analyses did not show any significant difference among the 3 studied reefs, the chemical contents (i.e., δ15N and N contents) in the macroalgae and complementary use of seagrasses and sedimentary organic matter clearly indicated the different nutrient regime among the sites in higher special resolution. Higher δ15N and N contents in macrophytes showed terrestrial nutrients affected primary producers at onshore areas in Nyali and Mombasa reefs, but were mitigated by offshore water intrusion especially at Nyali. On the offshore reef flat, where the same species of macroalgae were not available, complementary use of δ15N in sedimentary organic matter suggested input of nutrients originated from the urban city of Mombasa. If population increases in future, nutrient conditions in shallower pristine reef, Vipingo, may be dramatically degraded due to its stagnant reef structure. This study represent the first assessment of the Kenyan coast that integrates water column nutrients and macrophyte δ15N analyses, showing direct evidence of the use of terrestrial nutrients by macrophyte and providing basic information for surveying the link between anthropogenic enrichment and ecosystem degradation including macroalgae proliferation in nearshore reefs.
著者
中村 隆志
出版者
情報文化学会
雑誌
情報文化学会誌 (ISSN:13406531)
巻号頁・発行日
vol.14, no.1, pp.31-38, 2007-09-15
被引用文献数
4

本研究は「ケータイのディスプレイを見る」という日常の当たり前となった行為に注目し,その使用場面と役割について考察する。ケータイは,外出先に携帯して行く通信機という役割と同時に,個人専用の通信回線という役割を併せ持つことから,家庭内を含め,多くの場所で使用されている。人々は様々な場面において,着信がないにも関わらず,自発的にふとケータイのディスプレイを見たくなる場合がある。この行為を理解するため,大学生に2つのアンケート調査を行った。1つめはディスプレイを見たくなる場面を自由記述で,もう一つはいくつかの場面ごとに使用したくなる欲求の強さを量的に回答してもらった。前者のアンケートからは,多くの場面で様々な使用法がされていること,使用者は自らの心証や態度をケータイを通してアピールする場合があること,後者からは,使用者は居合わせた他人との距離・視線・性差などの要因に影響されてケータイを使用していることが示唆された。これらの結果は,現実空間において「ケータイのディスプレイを見る」という行為が,新しい非言語コミュニケーションとして浸透してきていることを推察させるものである。
著者
赤尾剛 中村 隆志 丸山 剛郎 高橋 純造 荘村 泰治 木村 博
出版者
一般社団法人日本歯科理工学会
雑誌
歯材器 (ISSN:02865858)
巻号頁・発行日
vol.11, pp.685-691, 1992
被引用文献数
4

ラミネートベニア修復物の仕上りは, 一連の複雑な工程や技工士の熟練度によって影響を受ける.この問題点の解決法のひとつとして, コンピュータ技術を応用したラミネートベニア修復用CAD/CAMシステムの開発を試みた.その第一段階として, レーザ変位計とコンピュータ制御3軸走査モデリングマシンCAMM-3を組合せた歯牙模型形状自動計測システムを開発し, その計測精度を検討した.その結果, 模型の色調を灰色に決定にし, レーザ変位計と模型表面の距離を常に一定に保ちながら走査する追随式計測法をとることによって, 最も精度良く計測することができようになった.このシステムを使用して, 上顎前歯模型表面の形状を計測し, 精度の高い三次元形状データを得ることができた.
著者
中村 隆志
出版者
情報文化学会
雑誌
情報文化学会誌 (ISSN:13406531)
巻号頁・発行日
vol.15, no.1, pp.12-19, 2008-08-01
被引用文献数
3

「ケータイのディスプレイを見る行為」は,ケータイが本来持っている通信機能を越えて,現実空間での非言語的コミュニケーションに様々な役割を果たしている。この役割をさらに明らかにするため,大学生にアンケート調査を行った。公共空間において,連絡すべき用件があるわけでも,着信があるわけでも,すぐに見たいコンテンツがあるわけでもないのに,ケータイを取り出したくなるような経験を思い出してもらい,その理由を尋ねた。得られた回答り,「ケータイのディスプレイを見る行為」は,従来から存在する小物と同じようにケータイを利用する場合と,「誰かとつながっていること」を演出する狙いでケータイを使用する場合との,大きく2通りに分けられた。もうひとつの調査では,公共空間でのケータイあるいは他の小物の利用意向を尋ねた。その結果,被験者は,「誰かとつながっていること」を周囲にアピールする必要性が相対的に高い状況において,ケータイを取り出して操作する傾向にあった。この使用法は,ユーザが多重文脈性を「まとう」かのようにケータイを利用することがあると解釈可能であり,現代の対面的コミュニケーションに影響を与えていると考えられる。
著者
中村 隆志 大江 ひろ子
出版者
情報文化学会
雑誌
情報文化学会誌 (ISSN:13406531)
巻号頁・発行日
vol.17, no.1, pp.11-18, 2010-09-07
被引用文献数
1

「ケータイのディスプレイを"見せる"行為」を非言語コミュニケーションと捉えて,そのコミュニケーションの実態を調査した。アンケートの結果から,ケータイのディスプレイを見せる側,すなわち「送り手」は,同じコンテンツを共に楽しんで,その評価を「受け手」と共感したいという意向を持っていること,その一方で,ディスプレイを見せられる「受け手」の方は,相手の接近的な意向を酌み取っていることが示された。この結果は,「送り手」と「受け手」の間には,その対面的相互作用において,意味の食い違いが起こりやすいことを示唆する。また,調査結果は,「ケータイのディスプレイを"見せる"行為」と「ケータイのディスプレイを"見る"行為」は互いに影響下にあることを示した。その受け入れられやすさという点では,両者は相補的な関係にあり,秘匿性という点では,両者は相乗的な関係になりうることを指摘した。本稿では,「ケータイのディスプレイを"見せる"行為」を非言語コミュニケーションとして理解することの必要性を主張する。
著者
南須原 美恵 鹿島 雄介 中村 隆志 山内 常生 大槻 憲四郎
出版者
一般社団法人 日本地質学会
雑誌
地質学雑誌 (ISSN:00167630)
巻号頁・発行日
vol.117, no.2, pp.63-78, 2011 (Released:2011-06-02)
参考文献数
72
被引用文献数
3 1

宮城県沖大地震に関連した前兆的地下水変動を検出するため,逆断層性活断層の上盤側にある深層孔井を選び,自動リアルタイムデータ受信システムを備えた観測網を構築した.孔井2本の水理学的条件,気圧,地球潮汐,降水の影響,水温観測の解像度を検討した後,観測期間2004年4月6日 から2007年末までに起こった地震の中から地震に関連した可能性のある3つの水温変動を同定した.それらは2005年12月2日の宮城県沖地震(MJ 6.6)の本震の2.7時間前から始まる0.003℃の低下,2007年4月12日に仙台湾で起こった浅発地震(MJ 4.5)の2時間前から始まった0.0012℃の上昇,および2007年5月29日に宮城県北部で起こった浅発地震(MJ 4)と同時の0.02℃に達する低下である.もし,将来の宮城県沖大地震がMJ 6.5以上の地震に相当する先駆すべりを伴うなら,我々の観測システムはそれを前兆的温度変化として捉え得る可能性がある.