著者
奥山 誠義 水野 敏典 河崎 衣美 北井 利幸 岡林 孝作 加藤 和歳
出版者
奈良県立橿原考古学研究所
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2017-04-01

本研究では古墳時代における繊維製品の材料学的・構造的研究方法の基礎的研究を行い、ヤマトにおける古墳時代繊維製品の具体的な変遷の把握を試みた。考古学および文化財科学における新たな価値を生み出す研究を大きな目標として研究を進めた。本研究では、ラミノグラフィおよびX線CTと呼ばれる非破壊調査法により非破壊的に織物の構造調査が可能であること、光音響赤外分光分析が非破壊的に素材を知る手段として有効であることが確認できた。考古学的には新沢千塚古墳群から出土した染織文化財を例として、統計分析をおこない織密度や織物の種類や古墳の墳形、規模との相関について研究した。
著者
河崎 衣美
出版者
筑波大学
雑誌
研究活動スタート支援
巻号頁・発行日
2014-08-29

屋外環境に曝される石造文化遺産に初期に付着する微生物のうち、初期対応の必要性が高いと考えられる地衣類について修復材料を適応した際の文化遺産建造物基材に対する定着挙動を調査した。基質強化が施された試験体への地衣類の付着は撥水処置のみ施された試験体と比較して著しく少ないことがわかり、基質強化処置の重要性が明らかとなった。基材の化学的劣化の要因となる地衣類の二次代謝産物の有無を分析する方法を構築した。