著者
河本 洋一
出版者
日本音楽表現学会
雑誌
音楽表現学 (ISSN:13489038)
巻号頁・発行日
vol.17, pp.33-52, 2019-11-30 (Released:2020-11-30)
参考文献数
46

人間の音声を駆使した “ヒューマンビートボックス” という新たな音楽表現は日進月歩の発展をみせており、海外では愛好者のコミュニティや研究者らの間で、活発な議論が展開されている。一方、日本では技術面への関心は高いものの、 概念形成に関する議論は不足しており、その拠り所となる日本語の資料が必要であった。 そこで本稿は、世界最大の愛好者コミュニティの様々な論考や世界初の解説書などが示す内容に、国内外の “ビートボクサー” と呼ばれる演奏者らへの聞き取り調査の結果を加え、ヒューマンビートボックスの歴史的背景や音楽表現としての様々な特徴や可能性を整理した。その結果、日本におけるヒューマンビートボックスの捉え方と世界的な流れにはずれがあったことや、ビートボクサーAfra(本名:藤岡章)が世界と日本との架け橋となり、日本におけるこの音楽表現の発展に大きく貢献したことなどが明らかとなった。
著者
河本 洋一 和田 辰也 山本 一成 藤原 章 宮脇 杜
出版者
札幌国際大学短期大学部
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2014-04-01

本研究では、ヒューマンビートボックスがどのように発祥し発展を遂げてきたかを、世界的に活躍するビートボクサーの様々な演奏記録から明らかにした。その結果、ヒューマンビートボックスは、ヒップホップ文化の音楽の中で、人間の音声器官を使用して既存の楽器や様々な装置の音を模倣したことが始まりであり、発祥は1984年頃であることが明らかとなった。また、日本においては2000年に入ってから日本人として初めて世界的に認知されたビートボクサーAFRAの登場によって、急速に発展を遂げたことがわかった。今後はアーカイブの分析のためのコーパスの作成が急務である。
著者
河本 洋一
出版者
日本音楽表現学会
雑誌
音楽表現学 (ISSN:13489038)
巻号頁・発行日
vol.17, pp.33-52, 2019

<p> 人間の音声を駆使した "ヒューマンビートボックス" という新たな音楽表現は日進月歩の発展をみせており、海外では愛好者のコミュニティや研究者らの間で、活発な議論が展開されている。一方、日本では技術面への関心は高いものの、 概念形成に関する議論は不足しており、その拠り所となる日本語の資料が必要であった。</p><p> そこで本稿は、世界最大の愛好者コミュニティの様々な論考や世界初の解説書などが示す内容に、国内外の "ビートボクサー" と呼ばれる演奏者らへの聞き取り調査の結果を加え、ヒューマンビートボックスの歴史的背景や音楽表現としての様々な特徴や可能性を整理した。その結果、日本におけるヒューマンビートボックスの捉え方と世界的な流れにはずれがあったことや、ビートボクサーAfra(本名:藤岡章)が世界と日本との架け橋となり、日本におけるこの音楽表現の発展に大きく貢献したことなどが明らかとなった。</p>