著者
松原 真己 石井 航平 河村 庄造
出版者
公益社団法人 自動車技術会
雑誌
自動車技術会論文集 (ISSN:02878321)
巻号頁・発行日
vol.54, no.1, pp.123-128, 2023 (Released:2023-01-25)
参考文献数
7

タイヤの表面の直接路面と接触する部分はトレッド部と呼ばれ,タイヤの性能を評価する際に重要な役割を持つ.そこで本研究は,トレッドブロックが接地面内に侵入・離脱した際のひずみ分布・加速度・サブ溝音圧の同時計測を行い,放射音とトレッドブロック変形の関係性について検討した.
著者
感本 広文 河村 庄造
出版者
豊橋技術科学大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2006

自動車衝突事故は大きな社会問題となっている.事故後の車両停止位置と事故現場の状況から事故前の車両速度等を求める問題は,結果から原因を推定する逆問題である.本研究では車両衝突事故の逆解析手法を構築する事を目的としてニューラルネットワークによる車両衝突事故の逆解析を行い,以下の知見を得た.1.衝突後の車両運動の逆解析と車両衝突の逆解析を組み合わせる事により,二車両の直角側面衝突に対して車両停止位置から衝突初速度を求める逆解析を行った.その結果,実用的に良好と思われる精度で車両の衝突初速度を求める事ができた.今回は時間の都合上,直角側面衝突のみを扱ったが他の衝突形態についても逆解析を行ってニューラルネットワークによる車両衝突事故再現の再現精度と適用範囲を調査していく必要がある.2.本研究でニューラルネットワークの教師データ作成に用いた衝突後の車両運動解析は比較的詳細な車両モデルによって精度の高いシミュレーションが行われていると考えられる.一方,車両衝突解析は剛体衝突理論によるものであり,衝突前後の二車両の運動量は保存され,物理的には合理的な結果を与えるが,車両の変形形状や衝突中の車両移動等の詳細は考慮されない.したがって現段階では例えば本手法を詳細推定の第一次近似として用いる等,使用法を適切に選択すれば合理的かつ効率的な事故再現の有効な補助手段になり得る.3.本研究では剛体衝突理論ならびに車両運動シミュレーションによってニューラルネットワークの教師データを作成したが,他の手法あるいは実際の事故データによって,系統的で信頼性の高い教師データが利用できれば,本研究で述べた逆解析の枠組みは同様の手法で適用する事ができる.