著者
惠良 勝治 山﨑 浩介 貝嶋 誠 河野 憲治 樫尾 朋宏 岩木 昌三
出版者
一般社団法人 映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会誌 (ISSN:13426907)
巻号頁・発行日
vol.71, no.12, pp.J295-J302, 2017-12-01 (Released:2017-11-25)
参考文献数
6

FM補完放送の開始にあたり従来は困難とされていたFM同期放送の実現を目的として最新のデジタル回路設計技術を用いた高精度のデジタル型のFM変調器を開発した.FM同期放送システムの構築においては実際にフィールドにおいて一般受信機による受信品質特性を検証しながらシステムと変調器の課題を明らかにし,変調器に要求される諸元の改良や機能の追加を行った.2016年8月には萩局-長門局間,10月には山口局(親局)-柳井局間で同期放送を開始し,従来にないエリア確保と良好なサービス品質を提供することができている.
著者
惠良 勝治 山﨑 浩介 貝嶋 誠 河野 憲治
出版者
一般社団法人 映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会誌 (ISSN:13426907)
巻号頁・発行日
vol.75, no.1, pp.110-117, 2021

<p>FM補完放送のエリア拡張を行うに際し新しく開発した同期放送システムで展開した.このFM同期放送エリアを構築するにあたり課題となるのは異なる2つの送信所からの放送波が重なる点で干渉しあう受信放送波2波のD/Uや遅延時間差,並びに同期放送品質の確認である.従来は試験放送を行う期間中の放送休止時間にしか実施できなかったが,今回開発した新しいアルゴリズムを高精度FM復調器に採用し,開局前の試験放送期間においても通常のプログラム音声波での実施を可能とした.</p>
著者
岩田 幸雄 惠良 勝治 山﨑 浩介 貝嶋 誠 河野 憲治 岩下 裕孝 樫尾 朋宏 岩木 昌三 上田 大一朗
出版者
一般社団法人 映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会誌 (ISSN:13426907)
巻号頁・発行日
vol.74, no.4, pp.736-742, 2020 (Released:2020-06-26)
参考文献数
3

FM補完放送の開始にあたり従来は困難とされていたFM同期放送による放送網の実現を目的として,最新のディジタル回路設計技術を用いた高精度のディジタル型のFM変調器を開発し取り組んだ.新局を順次開局しながら同期放送の各種課題をフィールドで調査しその解決策をシステムに取り入れて改良しながら検証を進めた.2018年12月に周防大島局を開局し当初予定した13局の中継局の設置を完了した.FM補完放送の構築においては県内の瀬戸内海側の8局をすべて92.3 MHzで,日本海側の5局を86.4 MHzで構成した同期放送ネットワークにより従来にないエリア確保と良好なサービス品質を提供している.
著者
河野 憲治 尾形 昭逸 安藤 忠男
出版者
日本草地学会
雑誌
日本草地学会誌 (ISSN:04475933)
巻号頁・発行日
vol.27, no.1, pp.93-99, 1981-04-30

イタリアンライグラス(Ir)草地に暖地型牧草シコクビエ(Am)を不耕起導入する場合,Irの残存生育を抑到し,Amの定着を向上させる方法として石灰窒素の利用を検討した。すなわち,Irの残存生育とAmの発芽定着に及ぼす石灰窒素の施与量と施与時期の影響を圃場試験により検討し,さらに石灰窒素のIr残存生育抑到とAm定着向上効果を地温の面から解析した。(I)石灰窒素と硫安施与量を10a当りN=0,6,12,18,24kgの5段階,Amの播種時期を5月22日,6月5日,6月20日と変えた圃場試験の結果,(a)石灰窒素多施与(N:24kg/10a)区Amの乾物重と発芽定着数は,硫安区と比較し著しく高く,5/22播よりも6/20播で高い値を示した。(b)石灰窒素区Irの乾物重は窒素施与量の増加に伴って減少し,N多施与区では枯死状態を呈した。この傾向は5/22播よりも6/20播で顕著であった。また石灰窒素多施与区Irのクロロフィル含量と根の活力はともに硫安区と上比較して著しく低い値を示した。(II)石灰窒素と硫安施与量をポット当りN:0,0.1,0.2,0.4,0,6g,地温を18°,23°,28°,33℃と変えた土耕ポット試験の結果(a)石灰窒素区Amの乾物重は地温の高い区程,また窒素施与量の増加に伴って大きい値を示した。また,石灰窒素多施与Am区の発芽定着数は地温の高い区程大きい値を示した。(b)石灰窒素Ir区の乾物重は窒素施与量の増加に伴って激減し,その傾向は高地温程顕著であった。以上の結果から,地温が低く,Irの残存生育が旺盛な時期においても,10a当りN:24kgの石灰窒素多施与によりIrの残存生育を著しく抑制できること,その結果Irとの養分や光に対する競合が軽減され,Amの定着を向上させること,さらに石灰窒素によるIrの残存生育抑制効果とAmの定着向上効果は高地温程大となることが明らかとなった。