- 著者
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高田 昌慶
泉 伸一
- 出版者
- 一般社団法人 日本科学教育学会
- 雑誌
- 日本科学教育学会研究会研究報告 (ISSN:18824684)
- 巻号頁・発行日
- vol.32, no.9, pp.19-22, 2018-06-02 (Released:2018-07-22)
- 参考文献数
- 3
- 被引用文献数
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伝承玩具の樟脳船は,船尾に樟脳の欠片を挟んで水面に浮かべると,滑るように水面を動き回る。その推進力は,船尾で昇華する樟脳によって,船首と船尾の表面張力に差が生じるため,表面張力が相対的に大きくなった船首の方に引っ張られて船が前進するという解釈である。 これは自明の理として,様々な図書や文献でも紹介されている。しかし,改めて調べてみると,樟脳によって表面張力の差は生まれていないことが分かった。そして,推進力は, 昇華し後方に噴出する樟脳分子の動きの反作用であることが明らかとなった。