著者
西本 登志 矢澤 進 浅尾 浩史 佐野 太郎 安川 人央 皆巳 大輔 東井 君枝 矢奥 泰章 杉山 立志 平野 博人
出版者
一般社団法人 園芸学会
雑誌
園芸学研究 (ISSN:13472658)
巻号頁・発行日
vol.17, no.4, pp.483-489, 2018 (Released:2018-12-31)
参考文献数
27
被引用文献数
1 1

カプシノイドを含有し,食味がよいトウガラシの新品種‘HC3-6-10-11’を育成した.カプシノイドを含有する良食味品種の‘ひも’を種子親,カプシノイドを高含有しカプサイシノイド含有量が少ない‘CH-19甘’を花粉親とする交雑後代から選抜し,F8世代で固定を確認した.特性調査と現地適応性検定試験を経て2015年に品種登録出願を行い,2017年に品種登録された.‘HC3-6-10-11’は,果実重量が6 g前後であり,雨除け栽培では,‘甘とう美人’や‘サラダ甘長’と同等以上の果実収穫量が得られた.2014年の果実のカプシノイド含有量は1956 μg・g–1DWであった.果実生産は奈良県内に限られ,未熟果のみ販売が可能であり,販売先を飲食店と加工業者に限定している.
著者
浅尾 浩史
出版者
奈良県農業総合センター
雑誌
奈良県農業総合センター研究報告 (ISSN:18821944)
巻号頁・発行日
no.40, pp.40-43, 2009-03

当センターでは明治時代からスイカの育種が行われ、昭和初期には'大和3号'と'甘露'の交配種'新大和'が育成された。当センター内の種子貯蔵庫には、これら品種・系統や海外から導入された品種が約80種保存されている。このように、当センターはスイカの育種、栽培、保存をはじめ、県内種苗会社への技術的支援を行ってきた。ボツワナ共和国のカラハリ砂漠地帯はスイカの原産地であり、スイカをはじめウリ科植物の遺伝資源の宝庫である。現地のサン族は野生スイカをはじめとする約300種の有用野生植物を数千年にわたり利用してきたが、カラハリ砂漠は氷河期を経験しておらず、個々の野生種は未だに系統化されていない。有用野生植物の分子レベルでの品種系統化や機能性の探索は重要な課題となっている。アジア・アフリカ学術基盤形成事業「ポストゲノミクス研究によるカラハリ砂漠資源野生植物の高度利用基盤の確立」の一環として2007年2月24日から3月5日まで、ボツワナ共和国が有する遺伝子資源を調査する機会を得たので、その概要を報告する。