著者
浅沼 和典
出版者
明治大学政経資料センター
雑誌
資料センターニュース
巻号頁・発行日
vol.45, pp.25-28, 1988-12-20

イギリスに滞在していた昨年6月に総選挙が行われた。この選挙の最大の興味は、言うまでもなく、サッチャー首相の保守党が3連勝するか、それとも、労働党が79年以来の連敗に終止符を打てるかにあった。結果は、周知のように保守党の勝利。新聞やテレビがサッチャーの「ハット・トリック」とさわぎ立てていた。いよいよ第3次サッチャー政権のもとでイギリスはどのような生きざまを見せるか。果して活力を取りもどせるか。内外から熱い視線が向けられている。かつて世界最高の工業水準、経済力を持ち、多数の植民地をかかえて7つの海を支配したイギリス。それだけにまた世界での最高の威信と重責をあわせ担ったイギリス。それはまさに、天空を双肩に背負ったギリシア神話の巨人タイタンの姿だった。

1 0 0 0 IR 国家論

著者
浅沼 和典
出版者
明治大学政経資料センター
雑誌
資料センターニュース
巻号頁・発行日
vol.18, pp.17-17, 1980-12-20

多年にわたって休講になっていた「国家論」を復活してから、今年でやっと3年目。講義の性格や内容は、まだ確定していない。が、講義内容としては、一応、二つの柱をたてている。一つは国家理論の歴史、もう一つは現代国家論。年度によって、どちらかの柱に限定するわけであるが、今年度は試験的に、前期=国家理論史、後期=現代国家論ということでやってみた。国家理論史では、思想史上の最も重要な思想家たちの国家理論を国家本質論に限定して論じ、そこから、われわれの国家認識に少しでも遡及的教訓を得たいと念じている。現代国家論の内容は、一定の方法・枠組による現代国家の社会科学的実体分析であり、年度によって、先進資本主義国家論とか社会主義国家論とかに限定されるが、資料・準備がととのったときには、特定の国家を対象としたケース・スタディだけで1年間通すことも考えている。