著者
浅野 由子
出版者
北ヨーロッパ学会
雑誌
北ヨーロッパ研究 (ISSN:18802834)
巻号頁・発行日
vol.17, pp.11-22, 2021 (Released:2022-07-03)

本年スウェーデンは、SDGsの世界ランキングで1位に位置づけられ、世界から注目されている。特にウプサラ市は、2018年と2020年に世界自然保護基金(WWF)主催の"One Planet City Challenge 2018,2020"で、世界一気候に優しい都市として選ばれている。本研究では、そのウプサラ市において、持続可能な社会に向けてどのような環境政策が行われ、またそれが持続可能な開発目標(SDGs)とどう関係し、「質の高い教育」に貢献しているのか、①世界自然保護基金(WWF)主催の持続可能な都市プロジェクト②スウェーデンイノベーションシステム庁(VINNOVA)助成のイノベーションプロジェクトを研究対象とした。調査の結果、ウプサラ市の環境政策ではESDが重要な役割を占め、数多くのプロジェクトが、国・自治体・企業・学校・NGO等の民間団体が協働して、SDGsを促進していることが明らかとなった。最終的に、今後の新しい「学び」の変革を考える上でも、若者のアクティブ・ラーニングは、貴重であることが明らかとなった。