著者
熊本 忠彦 伊藤 昭海 海老名 毅
雑誌
全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.49, pp.167-168, 1994-09-20

我々は,対話によってユーザの計算機利用を支援するシステム(以下,支援システムと呼ぶ)を開発している.ユーザは,何らかの障害/問題が発生したとき,支援システムに助けを求めることができる.支援システムは,ユーザの発話(話し言葉)を理解し,そのときの計算機の状態に合わせて適切な応答を生成する.ある発話意図を話し言葉で表現しようとするとき,その表現方法は多様である.しかしながら,その多様性の多くは,命題情報そのものではなく,モダリティ情報の表現方法に起因しているものと考えられる.従来の意味解析手法は,発話文の命題情報とモダリティ情報を混在して取り扱うため,モダリティ情報の表現において観測される多様性の影響を受けやすい.本稿では,発話文から命題情報とモダリティ情報を個別に抽出し,それらを並列に解析する手法を提案する.但し,抽出されたモダリティ情報を解析する手法はすでに別稿で提案しているので,本塙では,命題情報とモダリティ情報の個別抽出法,および抽出された命題情報の解析手法を提案する.
著者
熊本 忠彦 伊藤 昭 海老名 毅
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. D-II, 情報・システム, II-情報処理 (ISSN:09151923)
巻号頁・発行日
vol.77, no.6, pp.1114-1123, 1994-06-25
被引用文献数
16

筆者らは,自然言語を用いた対話によってユーザ(computer user)の計算機利用を支援する対話型ヘルプシステムの構築を行っている.ユーザは,通常は計算機上でタスク(task)を進めるが,何らかの障害/問題が生じたとき,ヘルプシステムに音声で支援を求めることができる.ヘルプシステムは,ユーザの音声発話を理解し,その時々の状況に合わせて適当な応答を生成する.ヘルプシステムにユーザ発話を理解させるためには,音声処理技術だけでなく,話し言葉の特性に対応した言語処理技術も要求される.我々は,ヘルプシステムの代わりに人間アドバイザが支援するという擬似的な「対話による支援」実験を行い,ユーザの音声発話を収録し,ユーザ発話データベース(書き起こしテキスト)を作成した.また,その書き起こし文を解析し,支援要請発話(アドバイザに支援を要請するための発話)の特徴を調べた.本論文では,その解析結果に基づいて,ユーザ発話意図の記述形式を定義し,発話文から発話意図を認識する手法(発話意図記述を生成する手法)を提案する.
著者
海老名 毅 樋口 英幸 伊藤 昭
雑誌
全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.42, pp.78-79, 1991-02-25

実際に計算機を使っていて困った時、対話によりユーザを支援するシステムとしては、UNIXシェルについてのものが多く行なわれている。一方、マウスによるメニューやアイコンの選択により対話を行なう視覚的インターフェース(マックに代表される)については、自然言語による対話支援の例はあまり見られない。ところが、このような視覚的インターフェースは、慣れれば使いやすいものの、最初からマニュアルなしで使うことは(特に計算機の初心者には)難しい。このようなインターフェースにこそ、自然言語対話による利用支援が有効であるともいえる.そこで、視覚的インタ一フェースに対する対話型支援の効果を調べるため、Xウィンドウ上のメールムンドリングシステムXMHをとり上げ、対話型支援システムの設計開発を行なっている。