著者
熊本 忠彦 田中 克己
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告自然言語処理(NL) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2005, no.1, pp.15-20, 2005-01-11
被引用文献数
4

言葉はイメージであり,明示的な意味のほかにも,様々なニュアンスを伝える.本稿では,言葉が伝えるイメージの中に,喜怒哀楽に関する情報がどの程度含まれているのかということを単語レベルで調べ,その結果に基づいて,単語と喜怒哀楽との対応関係を示す「感情辞書」を構築する.また,この感情辞書を用いて,Webニュース記事に込められている喜怒哀楽の程度を読み手側の立場で推定する手法を提案し,Yahooニュース記事(100件)を用いた被験者実験(50名)により,その有効性を検証する.なお,提案手法において,喜怒哀楽及びその程度は,2つの感情尺度「悲しい---うれしい」,「怒る---喜ぶ」に対する評価値(0~1の実数値)という形で記述され,その値は,入力記事に現れる単語(普通名詞,サ変名詞,動詞,形容詞,カタカナ)の種類から求められる.Words are a collection of concepts and transmit not only their explicit meanings but also various nuances. In information transmitted by words, various feelings may be involved. In this article, we propose a method of extracting information on two kinds of feelings from newspaper accounts on the Web and determining strength of the feelings extracted. The feelings that we target in this article are ones denoted by two scales of "sad---glad" and "angry---pleased," and their strength is represented by a real number between 0 and 1. We also propose a method of automatically constructing an emotional dictionary that represents a relationship between words and feelings to be caused by the words. We compare the results that 50 people estimated 100 articles collected from the Yahoo News site with the results that our feeling extraction method estimated the 100 articles using the emotional dictionary which our dictionary construction method automatically constructed from databases of newspaper accounts, and evaluate performance of the proposed methods.
著者
熊本 忠彦 河合 由起子 田中 克己
出版者
The Institute of Electronics, Information and Communication Engineers
雑誌
電子情報通信学会論文誌 D (ISSN:18804535)
巻号頁・発行日
vol.J94-D, no.3, pp.540-548, 2011-03-01

筆者らは,コンテンツを見たり聞いたりしたときに人々が感じる印象をコンテンツそのものから抽出する手法の研究開発を行っている.本論文では,新聞記事を例として取り上げ,記事を読んだ人々が感じる印象を記事そのものから抽出するテキスト印象マイニング手法を提案する.具体的には,新聞記事データベースを解析し,記事に現れる各単語が記事の印象に及ぼす影響を数値化した印象辞書を構築するとともに,この印象辞書を用いて記事の印象値を算出する手法(算出法)を開発する.更に,この算出法が記事から算出する印象値と人々がその記事を読んだときに感じる印象値との対応関係を回帰分析により調べ,その結果得られる回帰式を用いて算出した印象値を補正するという方法で高精度なテキスト印象マイニングを実現する.ただし,提案手法により抽出される印象は,「楽しい悲しい」,「うれしい怒り」,「のどか緊迫」の3種類であり,それぞれの印象に対し7段階の評価尺度(印象尺度)を設定している.提案手法の有効性を検証するために行った被験者実験では,それぞれの印象尺度における平均誤差が0.69,0.49,0.64となり,特に「うれしい怒り」に対しては高い精度を得ている.
著者
熊本 忠彦 鈴木 智也
出版者
The Institute of Electronics, Information and Communication Engineers
雑誌
電子情報通信学会論文誌 D (ISSN:18804535)
巻号頁・発行日
vol.J98-D, no.5, pp.788-801, 2015-05-01

Twitterには,面識のない人でも気軽にフォローできるという特徴があり,他者とつながるための手段として有用と言える.しかしながら,その一方で,匿名の人からフォローされたり,既にフォローしているユーザ(フォロイー)のリツイート等により,知らない人のツイートを目にしたりする機会も多く,そのような人たちをフォローすべきか否か迷うことがある.そこで本論文では,フォロー候補となるユーザがどのような印象選好(普段,どのような話題の,どのような印象のツイートを見たり投稿したりしているか)を有しているかを可視化するシステムを提案する.老若男女1,000人が参加した被験者実験の結果によれば,43.2%〜46.5%の人が提案システムによる印象選好の提示を有用と認めたことが確認された.本システムを用いユーザの印象選好を可視化することで,フォローの是非を,有益な情報源かどうかといった単なる損得勘定だけでなく,自身の感性に合ったユーザかどうかという視点から判断することも可能となる.なお,同じ処理をTwitter上のキーワード検索に適用することで,任意のキーワードの印象文脈(そのキーワードがどのような話題の,どのような印象のツイートにおいて用いられているか)を可視化する機能も付加している.
著者
熊本 忠彦 河合 由起子 田中 克己
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. D, 情報・システム (ISSN:18804535)
巻号頁・発行日
vol.94, no.3, pp.540-548, 2011-03-01
被引用文献数
6

筆者らは,コンテンツを見たり聞いたりしたときに人々が感じる印象をコンテンツそのものから抽出する手法の研究開発を行っている.本論文では,新聞記事を例として取り上げ,記事を読んだ人々が感じる印象を記事そのものから抽出するテキスト印象マイニング手法を提案する.具体的には,新聞記事データベースを解析し,記事に現れる各単語が記事の印象に及ぼす影響を数値化した印象辞書を構築するとともに,この印象辞書を用いて記事の印象値を算出する手法(算出法)を開発する.更に,この算出法が記事から算出する印象値と人々がその記事を読んだときに感じる印象値との対応関係を回帰分析により調べ,その結果得られる回帰式を用いて算出した印象値を補正するという方法で高精度なテキスト印象マイニングを実現する.ただし,提案手法により抽出される印象は,「楽しい⇔悲しい」,「うれしい⇔怒り」,「のどか⇔緊迫」の3種類であり,それぞれの印象に対し7段階の評価尺度(印象尺度)を設定している.提案手法の有効性を検証するために行った被験者実験では,それぞれの印象尺度における平均誤差が0.69, 0.49, 0.64となり,特に「うれしい⇔怒り」に対しては高い精度を得ている.
著者
山本 湧輝 熊本 忠彦 灘本 明代
雑誌
第8回Webとデータベースに関するフォーラム論文集
巻号頁・発行日
vol.2015, pp.174-181, 2015-11-17

Twitter では任意のユーザをフォローすることで,そのフォローされたユーザ (フォロイーと呼ぶ) がツイートした内容を自分のタイムライン (TL) に表示させることができるようになる.そのため,実世界での友人や知人だけでなく,共通の趣味・嗜好を有するユーザや有益な情報をツイートしているユーザ,好きな有名人 (芸能人や政治家,スポーツ選手など) をフォローすることで,自分の TL を充実させることが可能である.しかしながら,Twitter 上には数多くのユーザが存在しているため,その中からユーザがフォローしたくなるようなユーザ (すなわちフォロイー候補) を探し出すのは面倒な作業と言える.この問題を解決するために,最適なフォロイー候補の推薦について多くの先行研究がある.これら先行研究では,ツイートの話題が似ているユーザをフォロイー候補として推薦する場合が多いが,ツイートの話題が類似しているからといって,その話題に対するユーザの感情が異なる人をフォロイー候補として推薦するのは適さない場合も多数存在する.そこで我々は,ユーザの興味のある話題が類似しているかどうかだけでなく,その話題に対してどのような感情を持っているかも考慮してフォロイー候補を推薦するシステムを提案する.このとき,任意の話題に対する感情を表現するために,我々が先行研究で提案した Twitter 向けの 8 次元の感情軸 (「喜・好」,「安」,「昂」,「哀」,「怖」,「怒・厭」,「驚」,「恥」) を用いることとし,ツイートからの感情をこの8軸からなるレーダーチャートを用いて可視化する.
著者
熊本 忠彦 伊藤 昭海 海老名 毅
雑誌
全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.49, pp.167-168, 1994-09-20

我々は,対話によってユーザの計算機利用を支援するシステム(以下,支援システムと呼ぶ)を開発している.ユーザは,何らかの障害/問題が発生したとき,支援システムに助けを求めることができる.支援システムは,ユーザの発話(話し言葉)を理解し,そのときの計算機の状態に合わせて適切な応答を生成する.ある発話意図を話し言葉で表現しようとするとき,その表現方法は多様である.しかしながら,その多様性の多くは,命題情報そのものではなく,モダリティ情報の表現方法に起因しているものと考えられる.従来の意味解析手法は,発話文の命題情報とモダリティ情報を混在して取り扱うため,モダリティ情報の表現において観測される多様性の影響を受けやすい.本稿では,発話文から命題情報とモダリティ情報を個別に抽出し,それらを並列に解析する手法を提案する.但し,抽出されたモダリティ情報を解析する手法はすでに別稿で提案しているので,本塙では,命題情報とモダリティ情報の個別抽出法,および抽出された命題情報の解析手法を提案する.
著者
河合 由起子 熊本 忠彦 田中 克己
出版者
日本知能情報ファジィ学会
雑誌
知能と情報 : 日本知能情報ファジィ学会誌 : journal of Japan Society for Fuzzy Theory and Intelligent Informatics (ISSN:13477986)
巻号頁・発行日
vol.18, no.2, pp.173-183, 2006-04-15
被引用文献数
5

近年,複数のWebサイトにまたがって存在している同一テーマのWebコンテンツをまとめて提示する情報統合に関する研究はますます盛んになっており,大量の情報をどのように分類し統合して提示するかが大きな問題となっている.筆者らは,複数のニュースサイトから収集した大量の記事をユーザの閲覧履歴に基づいて分類し,そのユーザが使い慣れているニュースサイトのトップページに写像して提示するという新しいタイプのニュースポータルサイトシステム「My Portal Viewer (MPV)」を提案してきた.MPVは,ユーザの閲覧した記事から頻度情報を用いてキーワード(ユーザが興味のある語)を抽出し,その興味語の有無に基づいて収集した記事を分類する.このとき,新しく生成したカテゴリの名称を興味語そのものとすることにより,それぞれのカテゴリにどのような記事が含まれているか判別しやすくしている.また,各カテゴリをユーザが普段利用しているニュースサイトのトップページに,元々のレイアウトを維持しつつ再配置することにより,読みたい記事がどこにあるか効率的に探し出せるようになっている.しかしながら,その一方で,興味語の有無という分類基準だけでは,ユーザの好む記事と好まない記事をうまく分離できないことがあった.そこで,本論文では記事の印象というこれまでにない新たな分類基準を導入し,ユーザの記事に対する選好を印象と興味の両面からモデル化するとともに,提案モデルをMPVに実装し,ユーザが共感(感情移入)しやすい記事を優先的に提示するMPV Plusについて検討する.
著者
熊本 忠彦
雑誌
情報処理学会論文誌データベース(TOD) (ISSN:18827799)
巻号頁・発行日
vol.12, no.1, pp.1-5, 2019-01-16

マイクロブログの1つであるTwitterでは,突発的な感情の発露を表すために,「日本が勝ったぁああ」や「それはやめて~~ーー」のような叫喚表現化したツイートを用いることがある.これまでの先行研究では,こういった叫喚ツイートの叫喚表現化された部分を検出し,元の表現(「勝った」や「やめて」)に変換することで,既存の様々な辞書を利用できるようにするための手法やツイートから叫喚ツイートを抽出し,投稿者の感情の大きな変化を検知するという手法が提案されている.しかしながら,抽出される叫喚ツイートの種類についてはあまり深く検討されておらず,比較的単純な正規表現により検索可能な叫喚ツイートのみが抽出されていた.そこで本論文では,先行研究で提案された正規表現を拡張し,より多くの叫喚表現に対応できるようにするともに,提案手法による叫喚ツイートの抽出割合や抽出精度を評価することで,その有効性を検証する.
著者
熊本 忠彦 吉田 紫世理
出版者
Japan Society of Kansei Engineering
雑誌
日本感性工学会論文誌 (ISSN:18845258)
巻号頁・発行日
pp.TJSKE-D-18-00043, (Released:2018-10-16)
参考文献数
12

In this paper, we conduct a questionnaire survey on the web, and investigate how the impressions people feel from viewing stimulus images change by combination of fonts and background colors constituting the images. For the background colors, we adopt a total of six primary colors; three primary colors of light consisting of red, green and blue, and three primary colors of paint consisting of cyan, magenta and yellow. For the fonts, we adopt Gothic and Mincho types, and use non-bold and bold faces in each type. As impression scales used for rating impressions from stimulus images, we use not only “Legibility” and “Readability” conventionally used but also “Destruction,” “Passion,” “Nature,” “Peace,” “Honesty,” “Calmness,” “Freshness,” “Coolness,” “Sexy,” “Love,” “Curiosity,” and “Happiness,” which were selected from words representing impressions of the six primary colors.
著者
山本湧輝 熊本忠彦 灘本明代
雑誌
2014年度 情報処理学会関西支部 支部大会 講演論文集
巻号頁・発行日
vol.2014, 2014-09-10

Twitterはその手軽さからユーザの感情が表れやすい。ツイートの中には、顔文字や叫喚フレーズが多く含まれ、ユーザの感情をより表している。そこで本論文ではこれら顔文字や叫喚フレーズをTwitter特有表現と呼び、その特有表現を考慮したツイートの感情抽出手法を提案する。
著者
熊本 忠彦 伊藤 昭
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.40, no.2, pp.422-432, 1999-02-15
被引用文献数
1

対話は対話者同士による協同作業であるため 発話の形式や内容だけでなく 対話の進め方なども話し相手によって大きく異なる. しかしながら 機械である対話システムとの対話においてユーザがどのように振る舞うのか ヒューマンファクタに関する解析は十分とはいえず 頑健な対話システムを開発する際の妨げとなっている. 対話システムにユーザとの対話を通して何らかの課題を解かせ その課題を解くまでの対話量を競うというコンテスト(DiaLeague'97)がWWW (world-wide web)ページを介して行われた. 本稿では当コンテストで得られた対話(728対話)のうち 最も頑健であった対話システムとユーザとの対話(141対話)を中心に分析し 機械である対話システムとの対話においてユーザがどのように振る舞うのか 特に対話システムの頑健性に関する要因に焦点を当て調べた. その結果 (1)ユーザはデス・マス調で発話する (2)ユーザは間接的な発話形式を採用することがある (3)ユーザ発話数の増加にともない 異なり形態素数は対話の順番に関係なく増えているが 発話パターン数はユーザ先手のときの方がハイペースに増えている (4)ユーザはシステムの発話パターンをまったくそのままの形では再利用しない (5)ユーザは文脈から外れた予想外のシステム発話に対しても好意的に振る舞う (6)「わかりません」というシステム発話やシステム発話の反復に対して ユーザは 自分の発話を修正して言い直すことよりも 発話内容そのものを変え まったく別のことを発話する方を好む (7)発話理解や対話処理に失敗したときにはシステム発話の繰返しという対話戦略が有効であるといったことが分かった.A dialogue is a collaboration between dialogue participants. Therefore, identification of a conversational partner influences not only the form and contents of an utterance but also the context and expansion of a dialogue. The human factors in a man-machine dialogue, however, are not obvious enough to understand with regard to how people talk with a dialogue system. DiaLeague'97 was the second dialogue contest in which a natural language dialogue system engaged in a dialogue with a human to solve a specific problem. Each of the dialogue systems that participated in the contest obtained a score according to the amount of dialogue with a contest participant. this contest was held on the WWW (world-wide web) pages for one week, and the five dialogue systems had 728 dialogues with Internet users. We analyzed mainly the 141 dialgues between the users and the robustest dialgue system, and investigated the dialogues at the utterance and dialogue levels. As the results, we found the followings: (1) users talked to a dialogue system in a polite manner, (2) users did not always make a sentence using the direct speech, (3) the number of different words increased similarly either in user first or system first, and the sentence patterns observed in a dialgue were richer in variety when the dialogue began with a user question or request, (4) users were not influenced by system sentence patterns in making a sentence,(5) users did not ignore an unexpected system utterance, (6) users preferred to change the contents of their utterance rather than to express it differently when the dialogue system said "I don't understand," and repeated a system question, and (7) dialogue confusion which was caused by the failure of spoken language understanding and dialogue processing was often recovered by repeating a system question.
著者
蒋 承志 熊本 忠彦
出版者
日本感性工学会
雑誌
日本感性工学会論文誌 (ISSN:18845258)
巻号頁・発行日
vol.19, no.1, pp.39-47, 2019 (Released:2020-02-28)
参考文献数
9
被引用文献数
1

In this paper, we investigated how readers perceive the emotions of writers based on the emoticons in their tweets, and clarified the influence of emoticons on emotions. Initially, we conducted a questionnaire and the emotions associated with tweets (with and without emoticons) and the emotions associated with the emoticons were quantified. Multiple regression analysis was then applied to three types of emotion data, and relationships among them were established in the form of regression equations. Finally, the accuracy of the regression equations was estimated for learned and unlearned data, and their effectiveness and robustness were evaluated. The following 10 types of basic emotions were utilized as targets: “Sadness,” “Dislike,” “Relief,” “Fear,” “Excitement,” “Liking,” “Joy,” “Surprise,” “Anger,” and “Shame.”
著者
熊本 忠彦 太田 公子
出版者
The Japanese Society for Artificial Intelligence
雑誌
人工知能学会論文誌 = Transactions of the Japanese Society for Artificial Intelligence : AI (ISSN:13460714)
巻号頁・発行日
vol.21, pp.310-318, 2006-11-01
参考文献数
12
被引用文献数
7 5

Impression-based music retrieval helps users in finding musical pieces that suit their preferences, feelings, or mental states from the huge volume of a music database. We have therefore developed an impression-based music retrieval system that enables this. Users are asked to select one or more pairs of impression words from the multiple pairs presented by the system and estimate each of the selected pairs on a seven-step scale in order to input their impressions into the system. For instance, if they want to locate musical pieces that will create a happy impression, they should check the radio button ``Happy'' in the impression scale, ``Very happy -- Happy -- A little happy -- Neutral -- A little sad -- Sad -- Very sad,'' where a pair of impression words with a seven-step scale is called an ``impression scale'' in this paper. The system would measure the distance between the impressions of every musical piece in a user-specified music database and the impressions inputted by the user, and determine candidate musical pieces to be presented as retrieval results. In this paper, we define the form of vectors that numerically express impressions of musical pieces, and propose a method of generating such a vector from a musical piece. The most significant attribute of this method is that it uses n-gram statistics of information on pitch, strength, and length of every tone in that musical piece as features extracted from it. We also present the results of evaluating the performance of the system.
著者
熊本 忠彦 伊藤 昭
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告情報学基礎(FI)
巻号頁・発行日
vol.1997, no.86, pp.31-36, 1997-09-11
参考文献数
10

近年,話し言葉を対象とする自然言語処理の分野において対話コーパスを利用した研究が盛んに行われている.しかしながら,従来利用されている対話データは,模擬的な実験環境において収集された対話 (模擬対話) であり,実際の状況下で得られるであろう対話 (実対話) と言語的・対話的性質が同じであるとは限らない.そこで,我々は,模擬対話と実対話の定性的,定量的な共通点/相違点を明らかにするための材料として,2つの対話領域において模擬対話と実対話をそれぞれ収集した.本稿では模擬対話と実対話を規定する要因について考察し,実対話を収集するための実験環境を設計する.また,この設計に基づいて実際に行った実対話収集実験についても述べる.In recent years various kinds of dialogue corpora have been constructed and used for studies on dialogue and spoken language. In conventional dialogue collection, however, systematically collecting a large amount of dialogues and constructing a very large corpus are considered critically important, while the spontaneity of the dialogues collected is not a point to be carefully considered. "Spontaneous dialogue" does not mean that the dialogue itself is spontaneous but means that an utterance in the dialogue is spontaneous. However, it is obvious that the spontaneity of a dialogue determines the structure and aspect of the dialogue. Therefore, in this article, we consider the spontaneity of a dialogue and propose a method for collecting spontaneous dialogues in an experimental environment. We also describe the two kinds of experiments which we actually conducted for collecting spontaneous dialogues.
著者
張 建偉 河合 由起子 熊本 忠彦 白石 優旗 田中 克己
出版者
Japan Society for Fuzzy Theory and Intelligent Informatics
雑誌
知能と情報 (ISSN:13477986)
巻号頁・発行日
vol.25, no.1, pp.568-582, 2013
被引用文献数
1

ニュースサイトは日常生活における重要な情報源であり,閲覧者は発生事象の情報を受信する(受ける)のと同時に,書き方によって「楽しい」,「悲しい」,「怒り」等の多様な印象も受けている.特に,賛否両論となるニューストピックに関しては,複数のニュースサイトで報道傾向が異なるため,異なった印象を受ける.また,同じ話題であっても,時間が経つと報道傾向が変化する場合には異なる印象を受ける.そこで本研究では,記事の書き方を「印象」という評価指標で分析することで,ニュースサイトの報道傾向を視覚的に比較可能な分析手法を提案する.提案手法は,まずニュース記事の多様な印象を表現するのに適した複数の印象軸を設計し,ニュース記事に対する印象辞書を構築する.次に,この印象辞書を用いて各記事と各ニュースサイトの印象値を算出し,最後にサイトごとの報道傾向の違いおよび時間的推移を閲覧者へ比較提示する.本論文では,多様な印象に基づくニュースサイト報道傾向分析手法を提案し,国内 15 社,国外 10 社の計 25 社のニュースサイトに適用したシステムを用いて,その有効性を検証する.
著者
熊本 忠彦 灘本 明代
出版者
The Institute of Electronics, Information and Communication Engineers
雑誌
電子情報通信学会論文誌 D (ISSN:18804535)
巻号頁・発行日
vol.J100-D, no.4, pp.500-509, 2017-04-01

Twitterでは他のユーザをフォローすると,そのユーザ(フォロイー)のツイートが自分のタイムライン(TL)に表示されるようになる.そのため,自分と同じ興味や趣味についてツイートしているユーザをフォローすることで,自分のTLを充実させることも可能である.しかしながら,Twitterには数多くのユーザが存在しているため,その中からフォローしたくなるようなユーザ(フォロイー候補)を探し出すのは面倒な作業といえる.この問題を解決するために,従来から様々なフォロイー推薦手法が提案されている.これまでの研究では,ツイートの話題が似ているユーザをフォロイー候補として推薦する場合が多いが,ツイートの話題が似ているからといって,その話題に対する感情的態度(若しくは感情的傾向)も似ているとは限らない.そこで本論文では,共通の話題があり,かつその共通の話題に対して似たような感情的態度を示しているユーザをフォロイー候補として推薦する手法を提案する.なお,本論文では,ユーザの感情的態度を表すための感情軸として,「喜・好」,「安」,「昂」,「哀」,「怖」,「怒・厭」,「驚」,「恥」の8軸を採用する.
著者
熊本 忠彦 伊藤 昭 海老名 毅
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. D-II, 情報・システム, II-情報処理 (ISSN:09151923)
巻号頁・発行日
vol.77, no.6, pp.1114-1123, 1994-06-25
被引用文献数
16

筆者らは,自然言語を用いた対話によってユーザ(computer user)の計算機利用を支援する対話型ヘルプシステムの構築を行っている.ユーザは,通常は計算機上でタスク(task)を進めるが,何らかの障害/問題が生じたとき,ヘルプシステムに音声で支援を求めることができる.ヘルプシステムは,ユーザの音声発話を理解し,その時々の状況に合わせて適当な応答を生成する.ヘルプシステムにユーザ発話を理解させるためには,音声処理技術だけでなく,話し言葉の特性に対応した言語処理技術も要求される.我々は,ヘルプシステムの代わりに人間アドバイザが支援するという擬似的な「対話による支援」実験を行い,ユーザの音声発話を収録し,ユーザ発話データベース(書き起こしテキスト)を作成した.また,その書き起こし文を解析し,支援要請発話(アドバイザに支援を要請するための発話)の特徴を調べた.本論文では,その解析結果に基づいて,ユーザ発話意図の記述形式を定義し,発話文から発話意図を認識する手法(発話意図記述を生成する手法)を提案する.
著者
若宮 翔子 河合 由起子 熊本 忠彦 張 建偉 白石 優旗
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.57, no.1, pp.366-378, 2016-01-15

特定の話題に対する感情は情報発信者によって異なるため,その話題の検索結果には様々な感情で書かれたWebページが混在する.また,話題に対する情報発信者の感情は1つとは限らないため,複数の感情を持って書かれたWebページが存在する.Webページに含まれている情報発信者の感情は読み手が受ける印象に影響を与えるため,特定の感情で書かれたWebページばかりが提示されると話題に対する多様な感情を把握できず,読み手はその話題について偏った印象を持ってしまう.本論文では,検索ワードに対する情報発信者の感情の多様性を考慮したWebページ検索・提示システムを提案する.本システムでは,まず,検索ワードで検索されたWebページにおける情報発信者の感情を取得するために,既存の感情辞書を用いて3軸(軸1:「楽しい ⇔ 悲しい」,軸2:「うれしい ⇔ 怒り」,軸3:「のどか ⇔ 緊迫」)に基づく感情値を算出する.次に,話題に対する情報発信者の感情を網羅するようなWebページを検索するために,特定の感情を有するWebページから抽出した補間語を用いて再検索する.最後に,検索結果として3次元の感情マップとして感情の分布を可視化する.提案手法の有用性を検証するために,既存手法と提案手法による検索結果の感情分布の相対的な広がりを比較評価する.また,抽出した検索ワードの話題性および感情値の適合性,ならびに再検索結果から取捨選択し統合した検索結果の適合性を評価する.
著者
灘本 明代 熊本 忠彦
出版者
甲南大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2012-04-01

非定常的感情分析として,TwitterとSNSを対象とし,感情分析を行った.具体的には,(1)Twitter感情分析用感情語辞書の構築(2)Twitter上で用いられている顔文字の感情及びその役割に着目した,顔文字付きツイートの感情値抽出手法の提案,(3)Twitter用の感情軸の決定,(4)SNSからの耳より情報抽出手法の提案を行った.研究成果として,国際会議査読付き6本,国内査読付き1本,国内会議15本,論文誌3本の論文と書籍1編(分担)を発表した.
著者
張 建偉 河合 由起子 熊本 忠彦 白石 優旗 田中 克己
出版者
日本知能情報ファジィ学会
雑誌
知能と情報 (ISSN:13477986)
巻号頁・発行日
vol.25, no.1, pp.568-582, 2013-02-15 (Released:2013-03-04)
参考文献数
18
被引用文献数
1

ニュースサイトは日常生活における重要な情報源であり,閲覧者は発生事象の情報を受信する(受ける)のと同時に,書き方によって「楽しい」,「悲しい」,「怒り」等の多様な印象も受けている.特に,賛否両論となるニューストピックに関しては,複数のニュースサイトで報道傾向が異なるため,異なった印象を受ける.また,同じ話題であっても,時間が経つと報道傾向が変化する場合には異なる印象を受ける.そこで本研究では,記事の書き方を「印象」という評価指標で分析することで,ニュースサイトの報道傾向を視覚的に比較可能な分析手法を提案する.提案手法は,まずニュース記事の多様な印象を表現するのに適した複数の印象軸を設計し,ニュース記事に対する印象辞書を構築する.次に,この印象辞書を用いて各記事と各ニュースサイトの印象値を算出し,最後にサイトごとの報道傾向の違いおよび時間的推移を閲覧者へ比較提示する.本論文では,多様な印象に基づくニュースサイト報道傾向分析手法を提案し,国内 15 社,国外 10 社の計 25 社のニュースサイトに適用したシステムを用いて,その有効性を検証する.