著者
深見 俊和 吉川 大弘 古橋 武 井口 浩人 平尾 英司
出版者
日本知能情報ファジィ学会
雑誌
日本知能情報ファジィ学会 ファジィ システム シンポジウム 講演論文集
巻号頁・発行日
vol.23, pp.24-24, 2007

マーケティングの分野では,市場の傾向を把握するための手段としてアンケート調査を行い,得られたデータを解析する方法が広く用いられる.従来解析では,アンケートの被験者を年齢,性別等の属性で分類し,得られたグループの特徴を統計的に解析するという方法が用いられてきた.一方筆者らは,アンケートなど,感性情報を含むデータ(感性データ)から"個性"を見出し,個性に基づいた解析法に関する研究を報告してきている.感性データを定量的に得る方法の一つとしてSD法がある.SD法では,被験者が複数の対象に対して抱く印象を,相反する意味を持つ印象語対を用いて数段階の評点により評価する.このとき,対象に対する印象の違い,そしてその印象の表現として用いる「評点」に対して感じる重みには,少なからず個人差が存在する.この評点に感じる重みの違いは,評点の使用頻度の差異に表れていると考えられる.そこで本稿では,評点の使用頻度の違いも被験者の個性の一つであると仮定し、この個性に基づく新しい解析法について検討を行う.