- 著者
-
高木 友博
- 出版者
- 明治大学
- 雑誌
- 基盤研究(C)
- 巻号頁・発行日
- 1999
1.理論基礎検討(1)連想記憶方式の基本的考え方を調査すると同時に,オントワジーの基本的考え方および応用事例の調査を行い,ファジィ集合による両者の融合方式について検討した.その際特に下記の観点で成果を得た.・双方向連想記憶以外の連想機構の導入:CFSにおいて概念同士の説明関係をうまく表現するためホップフィールドニューラルネットの使用を試み,断片知識同士の分離性,層状に制約されない知識表現の可能性を確認.・順序性の導入手法:クロックの推移をノードに割り当てることにより,時間を表現できることを確認した.(2)テキストによる概念の表現方式とマッチング方式およびパターン情報とシンボル情報のマッチング方式.2.プロトタイプシステムの開発以下の応用領域における,プロトタイプシステムを開発し,いずれも人間の感覚により近い結果を得られることを確認した.(1)番組推薦:デジタルTV放送において視聴者が過去に見た番組のEPG(Electric Program Guide)に含まれる重要語から視聴者の好みをオン下ロジー内に学習により形づくり,新しく視聴候補となる番組の選好度を求め番組推薦を行う.(2)音楽検索:手紙文からその雰囲気をオントロジーを用いて認識し,それに近い雰囲気の曲を選択する.(3)検索エンジン:「冬」「スポーツ」といったキーワード入力から「スキー」や「スケート」といった具体的概念を含むホームページにまで検索対象を拡張.またスコアリングを伴った検索を行う.(4)文書分類:文章中に直接含まれる単語の出現頻度による類似性評価ではなく,間接的な語に置き換え,概念的な距離を測ることにより,より人間の感覚に近い分類を行う.(5)画像検索:感覚的表現のキーワード(例:ゴージャス)からの,花の画像検索プロトタイプシステムを構築た.その結果,人間の感覚にあった検索が行われることが確認された.