著者
北郷 実 板野 理 中塚 誠之 松田 祐子 大西 彰 淵本 大一郎
出版者
慶應義塾大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2015-04-01

膵腫瘍疾患に対する最も治療効果の高い治療法は切除による外科手術であるが、膵臓の外科手術は高侵襲かつ術後合併症の頻度が高いことで知られる。そこで我々は治療効果が高くかつ低侵襲である局所療法として期待される凍結融解壊死療法を膵臓に応用するため、その安全性と有効性を検討し、臨床応用に向けた基礎的エビデンスの創出を目的として実験を行った。ブタを用いた実験により、本手法は開腹または腹腔鏡手技で安全に実施可能であり、有効な膵組織の壊死が得られること、少なくとも膵炎を含めた重篤な合併症を引き起こさないことが示され、実臨床における治療選択肢に応用しうる可能性が示唆された。