- 著者
 
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             武田 久美子
             
             大西 彰
             
             三上 仁志
             
             犬丸 茂樹
             
          
 
          
          
          - 出版者
 
          - 公益社団法人 日本畜産学会
 
          
          
          - 雑誌
 
          - 日本畜産学会報 (ISSN:1346907X)
 
          
          
          - 巻号頁・発行日
 
          - vol.65, no.6, pp.556-562, 1994-06-25 (Released:2008-03-10)
 
          
          
          - 参考文献数
 
          - 18
 
          
          
        
        
        
        ミトコンドリァDNAは細胞質のミトコンドリア内に存在する核外DNAである.ミトコンドリアDNAの制限酵素切断型多型(RFLP)を,細胞質マーカーとして利用できるかどうか検討した.まずC57 BL/6(B6)マウスのミトコンドリアDNAを制限酵素SacIで直鎖状にし,ラムダファージに組み込んで完全長のクローンを得た.そしてこれをプローブとしてサザンブロットハイブリダイゼーションを行ない,マウスのミトコンドリアDNA多型の検出を試みた.B6およびRR系統マウスの各組織から抽出したDNAを用いたところ,いずれの試料からもミトコンドリアDNA由来のバンドが検出でき,B6とRR系統マウスとの間で期待されたRFLPが観察された.しかし,抽出されたDNA量当りのミトコンドリアDNA量は組織ごとに異なっていた.また,凍結保存したB6とRR系統間のキメラマウスの組織より抽出したDNAを用いたところ,両者のパターンが検出され,キメラであることが判定できた.以上の結果から,ミトコンドリアDNAのRFLPが細胞質マーカーとなりえること,ミトコンドリアDNAクローンがRFLPの検出やキメラ判定のプローブとして有効であることが明らかになった.