著者
淺井 良亮
出版者
佛教大学
雑誌
鷹陵史学 (ISSN:0386331X)
巻号頁・発行日
vol.36, pp.161-172, 2010-09-25
著者
青山 忠正 淺井 良亮
出版者
佛教大学
雑誌
歴史学部論集 (ISSN:21854203)
巻号頁・発行日
vol.4, pp.17-33, 2014-03-01

寺田家は、十八世紀において京都の呉服商であったが、十九世紀初めに、越後国新し発ば田たの大名・溝口家の用よう聞きき、ついで京都留守居を務めるようになって士分に取り立てられ、やがて明治四年の廃藩置県を迎える。その間、六十年間以上にわたる関係史料は、約三千点にのぼる。なかでも、二十六冊に及ぶ御用留は、京都留守居の活動状況を知る上で興味深い。本稿は、この寺田家文書の概要を紹介するとともに、御用留の一端を提示して、その史料価値などについて考察する。
著者
淺井 良亮
出版者
佛教大学大学院
雑誌
佛教大学大学院紀要. 文学研究科篇 (ISSN:18833985)
巻号頁・発行日
vol.44, pp.17-34, 2016-03-01

本稿は、近世京都に於ける大名家の拠点・御用・縁家について、佛教大学図書館所蔵「新発田藩京都留守居役寺田家文書」を活用することで、それぞれの実相を検討するものである。この作業を通じて、近世京都で展開された公武関係について、理解を深める一助となることを目指す。検討の結果、次のことが明らかとなった。拠点をめぐっては、一般的な「京都藩邸」という画一的印象に対し、多種多様な様相の存在を指摘し、三つの類型を提示した。御用については、主に公家への使者勤や彼らに関する情報収集などが期待されたことを明らかにし、公武関係の中で極めて重要な位置を占めていたことを指摘した。縁家とは、婚姻関係で結ばれた姻族を指し、さらには姻族を通じて広がる血族の人びとをも含めることを究明した。京都留守居藩邸京都御用縁家新発田藩
著者
淺井 良亮
出版者
佛教大学
雑誌
佛教大学大学院紀要. 文学研究科篇 (ISSN:18833985)
巻号頁・発行日
vol.39, pp.71-83, 2011-03-01

本稿の目的は、嘉永六年六月から七月にかけて実施された、徳川公儀有司による江戸湾巡見の実態を理解することにある。同年のペリー艦隊の来航と江戸湾侵入・海岸測量強行は、江戸湾警衛体制に大きな衝撃を与えた。艦隊の浦賀退帆後、有司は海防充備を模索するため、江戸湾周辺地域の巡見を企図した。それが、本稿で取り上げる、嘉永六年の江戸湾巡見である。二つの新出史料から浮かび上がった巡見の実態は、実地見分や直接体験に基づく、極めて実効性の高いものであった。巡見者が起案した海防策は、以後の海防路線の基軸となる、海上台場築造案と軍船導入案であった。巡見で得られた知見は、海防路線を大いに規定したのであった。