著者
森山 昭雄 淺井 道広
出版者
The Association of Japanese Geographers
雑誌
地理学評論 (ISSN:00167444)
巻号頁・発行日
vol.53, no.9, pp.557-573, 1980-09-01 (Released:2008-12-24)
参考文献数
18
被引用文献数
1 2

これまでに調べられた多くの河川堆積物は, -2~0φの粒径がヒストグラムの谷となるのに対して,矢作川河床堆積物はおよそ-2φおよび0φの付近にピークが現われる.その原因について,粒径別に礫種・鉱物種の構成比を調べ,さらに流域の大半を占める花醐岩類の造岩鉱物とその風化マサの粒度組成を調べた結果,次の結論を得た.すなわち, -2φおよび0φ付近にピークを持つB・C集団は,それぞれ伊那川・小原岩体の粗粒花歯岩と武節・下山岩体の細粒花歯岩類の造岩鉱物およびその風化マサの粒度組成と密接な関係があり,両岩体の岩石が流送過程で破砕・分解されて鉱物粒子となり,それに風化マサが加わって河床で混合したものであると解した.