著者
清原 雄康 風間 基樹
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集 (ISSN:24366021)
巻号頁・発行日
vol.79, no.5, pp.22-00303, 2023 (Released:2023-05-20)
参考文献数
23

火山灰質土であるしらすからなる野外盛土を2004年に作製してから2021年で18年が経過した.この間降雨時における体積含水率やサクションの変化,草木本類の有無が浸透挙動に及ぼす影響,貯留率や水分特性曲線による保水性の経年変化などを定量的に把握した.盛土表層付近では細粒分が顕著に減少,間隙比が増加し,内部でも植物根の侵入が生じていた.木本類が有る時の方が無い時より体積含水率は低めに推移し,降り始めから体積含水率が最大になるまでや表面流下が生じ始めるまでの所要時間,連続雨量は増加傾向で,葉面貯留の影響が生じた.断続的な降雨では表面流下に至るまでに時間を要した.盛土内部の貯留率は2018年以降で最大60%と2004年の最大80%より約20%低下し,水分特性曲線の履歴も保水性が低下する傾向に変化した.